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神奈川・開成町のお宝食材 里芋“弥一芋” 浜内千波さんのアイデアレシピ

  • 2023年10月6日

地域の知られざるお宝食材を発掘し、おいしい食べ方を紹介する「くらしりスペシャル」。
今回の主役は、これからが旬!神奈川県開成町で栽培されている、特産の里芋“弥一芋”。
きめが細かく、甘くて粘りけが強いのが特徴。弥一芋のおいしさを多くの人に知ってもらいたいと、30人ほどの農家が栽培を行っています。
その魅力をさらに発信すべく、料理研究家の浜内千波さんにアイデアレシピを考案していただきました!

開成町の名物に!町民が復活させた“弥一芋”

開成町特産の里芋、“弥一芋”。その栽培の始まりはというと…

明治36年、開成町出身の高井弥一郎が、隣町にあるお寺の住職から3つの里芋をもらいました。
この芋を持ち帰り植えてみたところ、ほかの里芋より格別においしくて、みんなが栽培し始めたのが始まりだと言われています。

ちなみに、芋の名前は、高井弥一郎が“やいっさん”と呼ばれていたため、やいっさんの芋、「弥一芋」と呼ばれるようになったとか。

弥一芋の評判は瞬く間に広がり、太平洋戦争の前には、関東一円にまで広まったとも言われています。
ところが戦後、稲作やほかの野菜の栽培が主力になり、いつの間にか、弥一芋栽培は衰退してしまいました。

『一度は衰退した弥一芋を復活させたい。懐かしいあの味をもう一度食べたい!』

そんな思いから、12年前に「弥一芋研究会」が発足。開成町の名物にしようと、町役場や大手スーパーの協力もあり、現在、年間16トンほどを出荷しています。最近では、農家だけでなく、町内にある高校でも、授業のカリキュラムの一環として弥一芋の栽培をしています。

そして、弥一芋を使って、パン屋さんが“弥一芋のグラタンパン”を販売したり、ギョーザ屋さんが、餡(あん)の中に弥一芋をつぶして練りこんだ“弥一芋餃子”を開発したりするなど、町を挙げて弥一芋の魅力を発信。

開成町の人たちがこよなく愛する“弥一芋”。今回の「くらしりスペシャル」では、その味を最大限にいかす料理を、料理研究家の浜内千波さんが考案してくれました!

弥一芋をメインディッシュに! “弥一芋ステーキ”

浜内さん

弥一芋は、粘りけが強くて、上品な甘みのある里芋。とってもおいしいのでこれだけで主役になる食材です。
素材の味をいかして、味付けはシンプルに塩だけ。お肉に負けない存在感のある一品に仕上げました!

<材料>(2~3人分)
・弥一芋(普通の里芋でも可)・・・3~4コ (300g)
・塩(芋用)・・・小さじ1/2
・鶏もも肉・・・1枚(300g)
・塩(鶏肉用)・・・小さじ1/2
・こしょう・・・少々
・オリーブ油・・・大さじ1/2
・ローズマリー・・・お好み
・粉チーズ・・・適量(お好み)

<作り方>
(1) 里芋の皮をスプーンで削り、洗ってから、1㎝強ほどの厚さに輪切りにする
(2) 鶏もも肉は、筋切りして、身の厚いところは切り込みを入れる。4等分にしてから、塩、こしょうを揉みこむ
(3) 中火で温めたフライパンに、オリーブオイルを入れ、里芋を入れたら塩をふる。
鶏肉も皮目を下にして加え、ローズマリーをお好みで入れる
(4) こんがりと焼けてきたら返して、火を通す
(5) 器に盛り合わせ、お好みで粉チーズをふってできあがり

上村
リポーター

外はサクサク!中はねっとり!弥一芋のおいしさがシンプルに伝わってきますね!
鶏肉のうまみも加わって食べ応えもあり、豪華なメインディッシュになりましたね!

 

今回は、オリーブオイルと塩で味付けて、洋風にアレンジしました。
新たな弥一芋の料理として、たくさんの人に食べていただきたいですね!

弥一芋をデザートに! 冷めてもしっとり “弥一芋ホットケーキ”

 

弥一芋を含め、里芋には水溶性の食物繊維がたっぷり含まれているんです。
これが、生地に含まれる水分を保ち、冷めてもしっとりねっとりしたホットケーキに変身させてくれるんですよ!

<材料>(小6枚分)
・弥一芋(普通の里芋でも可)・・・2コ(200g)
・ホットケーキミックス・・・200g
・牛乳・・・200cc
・卵・・・1コ
・メープルシロップ・・・適量
・バター・・・適量

<作り方>
(1) 里芋を洗って皮ごと耐熱皿に入れ、ラップをふんわりかぶせてレンジで柔らかくする
(600Wで裏表2分ずつ・さらに返して1分)
(2) 里芋の皮をむき、熱いうちにボウルに入れて潰し、少しずつ牛乳を加えながら滑らかにしていく
(3) 卵を加え、さらによく混ぜる
(4) ホットケーキミックスを加え、さっくり混ぜる
※混ぜすぎると、焼いたときにあまり膨らまなくなってしまうので、軽く混ぜる程度にしてください
(5) フライパンを中火で温め、3秒ほどぬれ布巾の上にのせ、再び火の上に戻し、生地を流す
※一度、ぬれ布巾の上に置くと、焦げにくくなります 
(6) 中火で1分強焼き、焼き目がついたら返して、中火弱で火を通す
(7) 器に盛り、メープルシロップ、バターをお好みで添えてできあがり

 

フォークを当てただけで、ふわふわしていてすごく弾力があるのがわかります。
食べるとしっとり滑らか。生地がとってもきめ細かくて、本当においしい!
子どもからお年寄りまで、皆さんが楽しめますね!

 

たくさん作っておいて、冷めてから食べてもおいしいんです。
これからが里芋、旬の季節、ぜひ、おやつに作ってみてくださいね。

 

開成町の皆さんと♪

あなたの街の“お宝食材”を募集しています!

『こんなにおいしいのに知られていない!どうしたら町の名物になるの?』
といったお悩みを、料理研究家の浜内千波さんと一緒に解決します。紹介したい食材と相談内容をお寄せください。
たくさんのご応募をお待ちしています。

<宛先>
〒150-8001
東京都渋谷区神南2-2-1
NHK首都圏局 くらしりコーナー “お宝食材募集”係 まで

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