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焼きたてパンを震災被災地で…笑顔をつなぐパン作り教室の魅力

  • 2023年3月3日

東日本大震災からまもなく12年になります。今回は、震災のあと仮設住宅の集会所や児童館などで開かれてきたパン作り教室についてお伝えします。
ポリエチレン袋とフライパン1つで、どこでも気軽に作ることができるこの教室のパン。みんなで作っていると自然と笑顔がこぼれてくるという不思議なパン作りです。

パン教室を開催してきた梶晶子さん 『パン作りは楽しい!』

都内でパン屋カフェを営む梶晶子さん。初めて教室を開いたのは震災から1年後の4月で、岩手県宮古市の仮設住宅の集会所でした。それから60回ほど被災地を訪れ、パン教室を開いてきました。

梶晶子さん
「震災後、とにかく自分にできることがないかという気持ちで、フライパン、カセットコンロなどの道具と材料をできる限り持って、被災地に向かいました。当時は、仮設住宅に移ったばかりという人もいて、手狭で不慣れなキッチンで限られた料理しか作れない様子でした。『久しぶりに焼きたてのパンを食べた。やっぱり手作りはおいしいね』という声を聞いて、うれしかったです。何度も通って一緒にパンを焼いているうちに、参加してくれた皆さんがどんどん元気になっていく。その姿を見て、パン作りの持つ力を感じ、長く活動を続けていきたいと思うようになりました」

笑顔になる梶さんのパン作りとは?!

梶さん

では、実際にどんなパン作り教室をしていたのかやってみましょう!
誰でも気軽に始められる“フォカッチャ”を作ってみましょうね!

○フォカッチャ
<材料>
(直径22cm1枚分)
強力粉     75g
薄力粉     75g
砂糖        大さじ1/2
塩           小さじ1/3
水           80g
甘酒        大さじ1 (なければ水を10ml 加える)
ドライイースト    小さじ1/4
オリーブオイル    大さじ1

道具はポリ袋・フライパン・カセットコンロ

<作り方>
(1)ボールに、水・甘酒・ドライイーストを入れて、ドライイーストを溶かしておく。
※混ぜずに自然と溶かしておくと、だまになりにくくなります。
(2)ポリ袋に、強力粉・薄力粉・砂糖・塩を入れて、混ぜておく。 
(3)(2)に、(1)とオリーブオイルを入れて、ポリ袋に空気を入れながら口を閉じ、生地がまとまるまで2~3分振り続ける。

ここがポイント!「全身で、生地を混ぜる」

シャカシャカシャカシャカと、体を動かしながら生地を混ぜます!皆さんここで一気に笑顔になるんです!
体温が上がり、その場の空気がワッと盛り上がりますよ!

(4)ポリ袋の空気を抜いて口を閉じ、2時間ほど1次発酵させる。
※生地は2~3倍にふくらむので、指2本分くらいの長さの余裕をもって、口を閉じるようにしてください。

ここがポイント!「発酵時間のおしゃべりタイム」

2時間の発酵時間は、おしゃべりタイム。ふだん話をしたことがなかった人も、こうして集まって一緒に作ることで顔見知りになり、お互いを知るきっかけになっていました。

(5)(4)のポリ袋の端を切って、その上で成形。
オリーブオイルを手に付けて軽く丸めて形を整える。

ここがポイント!「生地の感触に癒やされる」

上村リポーター

パンの生地、プニプニしていて気持ちいい~!!

生地を触る感触が、赤ちゃんのほっぺたに触れているようで、癒やされるんです。
触っているだけで顔がほころぶ方もたくさんいました。

(6)フライパンにオリーブオイルを引き、(5)を入れて、2次発酵させる。
強火で10秒温めたら火を止めて、その余熱で30分おきます。

(7)生地が膨らんだら均等にくぼみを作り、塩(2つまみ)とオリーブオイル(適量)で味を付ける。

(8)いよいよ焼いていきます。
強火で1分、その後弱火で12~13分。下がきつね色に焼けたら、反対側も同じように焼いて、できあがり!

ここがポイント!「焼きたての香りを楽しむ」

 

なんといっても、パンの焼ける香りは最高!幸せな気持ちになりますね。

パンの香りに誘われてやってくる人がいたり、できあがったパンをおすそ分けしたら、喜んでくれる人がいたり。
パンを作ることで笑顔がつながっていきます。ぜひ、みなさんも楽しんでくださいね。

フォカッチャから…応用編♪

フォカッチャをサンドイッチにしたり、ピザにするのもおすすめです。

○ピザ
<材料>
(直径22cm2枚分)
強力粉     75g
薄力粉     75g
砂糖        大さじ1/2
塩         小さじ1/3
水         80g
甘酒        大さじ1 (なければ水を10ml 加える)
ドライイース       小さじ1/4
オリーブオイル    大さじ1

ピザ用トマトソース    カップ1/3
ピザ用チーズ    80g
バジル        適量

<作り方>
(1)フォカッチャの作り方(1)~(4)と同様に、生地を作る
(2)1次発酵が終わったら、生地を2つに分けて軽く丸める
(3)オーブンペーパーを敷いたフライパンに(2)を並べ、ふたをして10分ほどおく
(4)(3)を取り出し、薄く均等に広げる
(5)熱したフライパンに、(4)をオーブンペーパーごと入れ、片面にうっすら焼き色が付くまで弱火で焼く
(6)裏返してオーブンペーパーを取り除き、焼けた面にトマトソースを塗り、チーズを乗せる
(7)ふたをして弱火で10分ほど焼き、最後にバジルを飾ってできあがり

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