最近、朝起きるのがつらい!という方いませんか?春は寒暖差が大きく、新生活の疲れもあって、1年の中でも特に朝起きるのがつらい時期なんです。そこで今回は、睡眠専門医の坪田聡医師に「スッキリ目覚める方法」を教えてもらいました。
気持ちいい目覚めの秘けつはまさかの“ちょい二度寝”!そしてカギを握る「コルチゾール」とは…?
坪田医師は睡眠障害の治療だけでなく、予防に重点をおいていて、睡眠の質を高める指導を行っています。
朝起きるときのつらさ、なんとかできないでしょうか?
スッキリ起きるには、ぐっすりとよく眠ることが一番大切です。
まずは、規則正しい生活リズムをつくることです。
決まった時刻に起き、3食きちんと同じくらいの時刻に食べる、夜中の12時前には就寝し、眠る直前には、スマホ、パソコンなどを見ないようにすることが大切だそう。
規則正しい生活ができればいいのですが、なかなかできないんですよね…
それが難しいという場合は、“ちょい二度寝”をオススメしています。
ちょい二度寝?!
“ちょい二度寝”は、睡眠リズムが乱れてしまうような“二度寝”とは違います。一度起きてから、もうちょっとだけ“まどろむ“こと。深い眠りにつくのではなく、半分寝て半分起きている状態が理想的。
短い時間20分ぐらい気持ちよく“まどろむ”のが理想的。
“ちょい二度寝”をしている間に、体内では“コルチゾール”というホルモンが分泌され、目覚める準備をしてくれます。
コルチゾールが、どう影響するのですか?
規則正しい生活をしていると、起きる前からコルチゾールが分泌され、それが全身に行き渡り、自然と気持ち良く目覚めることができます。
<睡眠リズムが整っている場合>
起きる1~2時間前から、ストレスから身を守り、血圧や血糖値をあげる役割のコルチゾールが分泌され、気持ちよく目覚める。
不規則な生活をしていると、起きる時間が決まっていないので、コルチゾールが事前に分泌されにくくなり、全身にコルチゾールが行き渡らないまま起きることになります。
すると、目覚めが悪くなるのです。
<睡眠リズムが整っていない場合>
目覚ましなどで慌てて起きると、コルチゾールが全身に行き渡らないまま起きることになり、目覚めが悪くなる。
睡眠リズムが整っていない人は、“ちょい二度寝”をしている間にコルチゾールが全身に行き渡るので、目覚めが良くなります。
なるほど
“ちょい二度寝”にもポイントがありますよ。長く眠ったり、二度寝を繰り返したりしてはいけません。
“ちょい二度寝”は、20分以内、1回だけ。20分あればコルチゾールが全身に行き渡ります。
20分以上続けると深い眠りになり、起きるのがさらにつらくなったり、夜の睡眠に影響が出たりします。
カーテンを開けたり、照明をつけたり、部屋を明るくしてから、“ちょい二度寝”をするのもポイント!
光を浴びながら寝ることで、深い眠りに入りづらくなり、20分後に目覚めやすくなります。
でも20分でちゃんと起きられるのでしょうか。寝過ごしてしまいそうで心配です…。
寝過ごすのが心配な人は、「20分後」に目覚ましをセットしておくと安心ですよ。
スマホのアラーム機能ならば、1回目に起きる時刻と“ちょい二度寝”で起きる時刻の2回分セットしておきましょう。
それでも心配な場合は、まずは休日に試してみて下さい。慣れてきたら平日にも、ちょい二度寝をしてみてはいかがでしょうか。
日中、眠さを引きずらないためにオススメの朝食も教えてもらいました。
トリプトファンという成分が含まれている食材は、気持ちを安定させ、昼間の活力源になることが期待できるのでオススメです。
牛乳・チーズなどの乳製品、豆腐・納豆などの大豆製品、ハム・ソーセージなどの肉類、バナナ・アボカドなどの果物。
体内で生成できないトリプトファンという必須アミノ酸がこれらの食材に含まれています。
和食でも洋食でも、朝食に取り入れられそうです。
朝食を食べる習慣がない方にオススメなのは、バナナと牛乳です。
まずは、この2つから始めてみてほしいですね。
坪田聡医師
二度寝は良くないイメージがあると思いますが、20分間1回だけの“ちょい二度寝”は、気持ちよく起きることができ、日中は元気に過ごせて前向きになります。
ぜひ試してみてください!