刺身を存分に味わう方法を“魚の伝道士”上田勝彦さんに教わるシリーズ。
今回は、マグロの刺身のアレンジ術です。お醤油とわさびでだけではもったいない!
マグロの概念が変わるレシピを伺いました。
今回ウエカツさんがおススメするのは『塩マグロ』。塩で水分を抜きながら汚れや臭みを取り除き、うま味を閉じ込めます。これさえ作っておけばアレンジもできる万能レシピ。ぜひ、お試しください!!
ウエカツさん
「昔は生魚を安全に食べるために、塩や酢・薬味などの野菜とあえていた。 その仕組みを知れば、料理の幅がグッと広がるよ!」
●塩マグロ
<材料>
・マグロ(刺身用/さく)
・塩
<作り方>
(1)マグロ全体に塩をふる ※塩はすりこまない
(2)塩が馴染んで溶けてきたら流水で洗い流し、水分をしっかりふき取る
水分が抜けてキュッと身が引き締まった。マグロの赤身なのにとっても濃厚で、美味しさアップ!!
刺身用のさくなら、どんな魚にも応用できる!
塩をふってうま味を閉じ込め、さらに酸(酢)で殺菌して“安全ロック”をかけた料理!
<材料>
・塩マグロ
・酢
・わさび
・キッチンペーパー
<作り方>
(1)塩マグロにキッチンペーパーを巻き、酢を入れて全体に浸す
(2)およそ30分漬け込み、表面が白っぽくなったらできあがり
(3)お好みで薬味のワサビと一緒にいただく
オリーブオイルを加えることで、空気を遮断し酸化を防止することができる。
カルパッチョは生魚を食べるうえで、理にかなった調理法です!
・黒こしょう(粗びき)
・オリーブオイル
・レモン
<作り方>
(1)塩マグロを薄くそぎ切りにする
(2)玉ねぎを薄切りにして皿に盛り付ける
(3)(2)に塩マグロを乗せ、レモン・こしょう・オリーブオイルを加える
オイルが入ることで、塩マグロがさらに濃厚な味に。身も引き締まっているので生ハムのような味わい!!
こちらも、殺菌効果のあるしょうがに、ごま油のコーティング。生魚の食べ方にぴったり!
<材料>
・塩マグロ
・ねぎ
・しょうが
・パクチー(お好み)
・豆板醤
・ごま油
<作り方>
(1)塩マグロを短冊切りにする
(2)しょうが・ねぎを千切りにする
(3)(1)と(2)と豆板醤・ごま油をお好みの量混ぜ合わせる
(4)(3)にお好みでパクチーを加える
「塩+酸+薬味(野菜)+油」の法則を使えば、生魚の食べ方はもっともっと広がる!!
タヒチにも、生のマグロを使った伝統料理があります。
見た目も材料もこれまでのレシピとは全くちがいますが、“生魚を安全に食べる法則”は一緒です。
<材料>
・マグロ(刺身用/さく)
・塩
・にんにく
・レタス
・にんじん
・ピーマン
・たまねぎ
・ライム
・ココナツミルク
<作り方>
(1)マグロをぶつ切りにする
(2)ボールに塩水を作り、すりおろしたにんにくを混ぜ合わせる
※塩加減は、海水よりも少ししょっぱいくらい
(3)(2)に(1)を入れて、マグロが白っぽくなるまで5分以上漬ける
(4)ピーマン以外の野菜は食べやすく薄切りにして、塩をまぶして水気を切っておく
(5)(3)を取りだして水気をきり、(4)と合わせる
(6)最後に輪切りにしたピーマンを入れ、ライム・こしょう・ココナツミルクで味を調える
にんにくやココナツミルクが入ることで、一気に南国の味!
マグロは噛めば噛むほどうま味が広がり、にんにくやココナツミルクとも調和して美味しい!
ポワソンクリュは、マグロに塩をして、ライム(酸)を絞って、油分の入ったココナツミルクでコーティング。この基本的な法則さえ分かっていれば、生魚にあう食材はたくさんある。
固定観念にとらわれない自由な発想で刺身の世界をもっともっと楽しんでください!