夏は汗をかきながらスパイシーなカレーを食べたくなる季節。
おうち時間が増えたことで、スパイスを使って本格カレーを楽しむ人が増えています。スパイスの中には、売り上げが前年と比べ1.5倍以上に増えたものも。
でも、カレーだけに使うのはもったいない!いつもの家庭料理が変わるスパイス活用術をお伝えします。
“スパイス=辛い”というイメージがあるかもしれませんが、実は、辛味のあるスパイスはほんの少しで、本来は独特な香りを楽しむものなんです。その香りをいかすコツを伺いました。
教えてくださるのは、スパイス料理研究家の印度カリー子さん。
スパイスの魅力にひかれ、この春まで東京大学の大学院生としてスパイスの研究をしてきた筋金入りのスパイス女子。
日常的な和食、洋食にも相性がいい。いつものマンネリ化した料理に(スパイスを)ちょっと加えるだけで、おいしさアップ!グレードアップ!
スパイスを上手に使うには、食材との「組み合わせ」が大事。
まずカリー子さんがおすすめするのは、多くの国でも使われている、「万能選手」クミン。
カレーの香り付けにも使われているスパイスです。
実はこのクミン…
炒めると、香りがぶわっと立ちます
●クミンと豚の生姜焼き
パンチの効いた独特な香りは、脂がのった肉や魚との相性が抜群。
そこで今回は、豚の生姜焼きと組み合わせます。
<作り方>
(1)豚ロース肉をしょうゆ大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1、すりおろししょうが小さじ1で下味をつける。
(2)焼く前に、肉にクミン小さじ1/2をかける。
※入れすぎると、苦みが出たり、香りがきつくなったりしてしまうので、ご注意ください。
(3)サラダ油 大さじ1をフライパンにひいて、肉を焼いて完成。
おいしい!食べたあとの、後味がすごくすっきりする。カレーの香りがほのかにして、食欲がわいてきます
●クミンのピーナッツバタートースト
クミンは香りが強く、マヨネーズ、ピーナッツバター、ごまドレッシングなど濃厚な食材とも合います。
例えば、ピーナッツバターを塗ったパンにクミンをかけて焼くと、おいしくいただけます。
ひと口ほおばると、一気に世界が変わります。
味はピーナッツバターだけど香りはカレー、やみつきになりますよ!
最高でござんす
続いてのおすすめは、夏にぴったりなコリアンダー。
パクチーとも呼ばれますが、その種などを乾燥させたものです。
(生の)パクチーとは香りが全然異なって、ミントとか、かんきつ系のような爽やかな香りが特徴的
そんなコリアンダーと相性がいいのは…
梅干し、レモン、トマトといった酸味のある食材です。
●コリアンダーと梅の豚しゃぶ
今回はおかずの定番、豚しゃぶ。ここに梅干しと合わせていただきます。
<材料>
・豚バラ薄切り…200グラム
・梅干し…2個
・マヨネーズ…大さじ2
・コリアンダーパウダー…小さじ1/2~1
<作り方>
(1)しゃぶしゃぶ用豚バラ薄切り肉200グラムをゆでる。
(2)マヨネーズ大さじ2 梅干し2個をちぎって入れ、和える。
(3)コリアンダーをひとつまみ(小さじ1/2~1)かける。
その味は…
何とも口の中が爽やか!う~ん、梅干しとの相性がすごくいいですし、コリアンダーが入ることで、かんきつ系の果物が入っているような…すごく爽やか
夏の暑い時期でも、さっぱりしたものをより感じやすくなります
その他にも、魚のソテーや、トマトのナポリタン、レモンソーダなど、さまざまな家庭料理にちょい足しするだけで雰囲気ががらりと変わりますよ。
印度カリー子さん
「おうちごはんが増えて、『マンネリ化してきたな~きょうのごはん何にしよう!?』というときは、スパイスを始めるチャンスだと思ってください。スパイスで人生・毎日のごはんを楽しんでいただけたら幸いです」
ほかにも、クミンはマヨネーズとしょう油との相性もいいんです。
例えばおすしに!
クミンが入ることでマヨネーズもあっさり、サラダ巻き感覚で、いつもとは違うおすしを楽しめます。
料理は、味だけでなく、見た目・香りも重要です。
香りが変化することで、食欲が湧いたり満足感が増したりします。
ぜひ、スパイスでおうちごはんを楽しんでください!