【更新4月5日】
関東各地から続々と桜の便りが届いています。気象庁は4月4日、東京で満開となったと発表しました。満開の東京の桜、さらに栃木県大田原市の「西行桜」、宇都宮市の「孝子桜」のしだれ桜をご覧ください。
栃木県大田原市にある光丸山法輪寺の境内には「西行桜」(さいぎょうざくら)と名付けられたしだれ桜があります。
平安時代末期の歌人西行法師が、東北に向かう途中に立ち寄り、「盛りにはなどか若葉は今とても心ひかるる糸桜かな」と和歌を詠んだと伝わっています。
寺によりますと、ことしは3月末ごろから咲き始め、今がちょうど満開となって見ごろを迎えているということです。
老木の「西行桜」は、近年は咲かせる花の数が少なくなってきたことから、去年、周辺の土壌に肥料をまぜこむなどした結果、ことしは例年より多くの花が咲いているということです。
光丸山法輪寺の若水厚淳住職は「樹勢回復作業の効果でことしは去年よりも見事な花が咲いています。西行法師ゆかりのサクラを多くの方に見に訪れてもらいたい」と話していました。
宇都宮市古賀志町にある城山西小学校の校庭には、市の天然記念物に指定された樹齢450年といわれるしだれ桜があります。
ことしは例年より一週間ほど遅い3月末から咲き始め、いま6分咲きとなりました。
この桜は「真冬に桜の花が見たい」という病気の父親の願いをかなえるため、息子が願をかけたところ、季節外れの花を咲かせたという言い伝えがあり、親孝行の桜と言う意味で「孝子桜」(こうしざくら)と呼ばれています。
児童たちは薄いピンク色に染まった桜を眺めたり、木の周りを走り回ったりして思い思いに楽しんでいました。
城山西小学校の川口英利副校長は「お年寄りから今の小学生の子どもたちまでずっと見守ってくれている尊い木だと思う」と話していました。
「孝子桜」は入学式が行われる4月10日ごろまで楽しめそうだということです。
東京の開花の発表は3月29日とこの10年でもっとも遅くなりました。都内の桜の名所のひとつ千鳥ヶ淵では、開花が当初の予想からずれ込んだため、ボランティアによる案内所の開設期間を3日から5日間延長したほか、夜桜を楽しむためのライトアップも期間を伸ばしたということです。
こうした中、気象庁は4月4日の午後、東京で満開になったと発表しました。東京の満開は、平年と比べて4日、去年と比べて13日、いずれも遅くなっています。
このところ、東京の満開は3月が多く4月に入ったのは2017年以来、7年ぶりです。