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就活いつから 3月面接のスケジュールも 企業のインターンシップの活用は

~来春卒業 大学生の就職活動~
  • 2024年3月4日

2025年・来年春に卒業する大学生などの就職活動が3月1日から本格的にスタートしました。企業の中には大学生などが参加しやすいように採用面接を政府のルールに沿って6月に実施するだけでなく、3月にも前倒しして行う動きも出ています。インターンシップの活用方法など就職活動で変わった点やスケジュールなどについてまとめました。

採用環境を企業はどう見る 内定の状況は

就職情報サイトの「マイナビ」が2月、1800社余りに行った調査では「2025年・来年春に卒業する学生の採用環境は厳しくなる」と回答したのは76.6%に上り、人材の獲得競争が激しくなっているということです。

一方、「リクルート」が来年の春に卒業する大学生およそ1700人を対象に行った調査によりますと2月1日時点で、企業から内定を受けたのは23.9%と、前の年の同じ時期より4ポイント増えました。

内定を受けた学生のうち、2社以上の内定があるのは48.3%と前の年の同じ時期の26.1%と比較して大幅に増えていて、調査した会社は人手不足の企業が採用活動の開始を早めるなど早期化の傾向が強くなっていると分析しています。

三菱商事 6月だけでなく3月にも面接

大手商社の三菱商事では政府のルールに沿ってことし6月に採用面接を実施しますが、それに加え、学生の春休み期間となる3月中旬から下旬にも面接を行います。

このため、2月中旬にエントリーの受け付けを開始したうえで、希望する学生に向けてオンラインで配信する形の説明会を開催しました。説明会は「女性の活躍」や「自立的なキャリア形成」などテーマが設けられ、学生からチャットで寄せられた質問に社員が答える形式で行われました。

採用面接を3月にも前倒しして行う理由について、春休みの期間に就職活動を終えて学業に専念したい大学院生や、課外での活動で6月に面接を受けることが難しい学生など、多様なニーズに応えることができて学生が参加しやすくなるとしています。

また、3月と6月の面接で、面接の回数や方法などの選考プロセスは同じで、応募に対する内定率なども大きく差がつかないことを想定しているということです。

三菱商事 柏原玲子人事部長
「6月選考だけでは学生のニーズに応えられない。学生は学業が第1で、それを阻害しない形で会社側も選考のタイミングを検討していったほうがいい。学生にも当社にも非常にメリットがある」

2025年春に大学卒業の就活 変わった点は

就職活動のスケジュールやルールは、政府の会議で経済界や大学の関係者と議論しながらその年ごとに決められています。

2025年・来年春に卒業する今の大学3年生の就職活動のスケジュールは、企業による学生への説明会などの開始は3月1日以降、採用面接の開始は6月1日以降、正式な内定日は10月1日以降となっています。このスケジュールは前の年から変わっていません。

一方で、インターンシップの就職活動への活用のしかたなどは見直されました。具体的にはインターンシップの期間が5日以上でその半分を超える日数を職場での就業体験にあてていることや、社員が学生を指導し、終了後にフィードバックを行うことなどを条件に、参加した学生の情報を企業が採用活動のための判断材料として活用できるとしています。

三越伊勢丹 インターンシップを採用に活用

大手百貨店の三越伊勢丹は2023年・去年12月からことし1月にかけて大学3年生などおよそ30人が参加して就業体験など5日間のインターンシップを行いました。

この会社では、インターンシップが終わったあとも、人事からみた評価できる点などを伝えるフィードバックのほか、学生が就職活動に向けて自己分析をしたり、キャリアプランを考えたりする相談に応じたりして参加した学生を対象に個別にサポートを続けています。

この会社では、参加した学生の情報を政府のルールにあわせて、採用活動に活用するとともに、学生が入社を決めた場合には、入社後の育成などにも生かしたいとしています。

三越伊勢丹ホールディングス人事キャリア部 佐々木大さん
「会社のありのままを知ってほしいし、学生の素も知りたいので、お見合いをするような形でこれから選考を進めていきたい」

2026年春に大学卒業 就活スケジュール

2026年・再来年の春に卒業する今の大学2年生については、企業側が2週間以上のインターンシップを通じて参加した学生の専門性が高いと判断した場合は、採用面接の開始をこれまでの6月から3か月ほど前倒しして春休み以降にできることが決まっています。

就職活動のスケジュールやルールに強制力はなく活動の早期化による実態とのかい離などが指摘されていて、政府の会議は見直しを含めた検討を進めています。

“柔軟な枠組みへ変化させる必要がある”

リクルートの研究機関「就職みらい研究所」栗田貴祥所長は就職活動の現状や今後について次のように話しています。

〇就職活動の現状
学生にとっても想定以上に就職活動の早期化が起きている状況で、学業にも少なからず影響が出てきているという話も聞く。自己理解を深めきれない中で企業からの内定が出ているので、入社以降にミスマッチが起こる可能性が高まってくることも考えられる。

〇ルールをどうする
スケジュールが目安となって効率的に動きやすいというのは学生も企業にとってもいい部分はある。ただ、これだけ世の中の環境が変化してきて、個人の価値観や動き方も多様になってきている現状をみると、就職活動のルールを柔軟な枠組みへと変化させる必要があると感じる。

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