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ヤクルト・つば九郎 ついに契約更改「大トリ」でした 条件は

  • 2024年1月29日

筆談や「空中くるりんぱ」などでおなじみ、プロ野球・ヤクルトの球団マスコット「つば九郎」。2024年1月29日、ついに契約更改を行いました。まさに「大トリ」。納得いく条件は得られたのでしょうか。

小川淳司GMと会見

東京都内のホテルで、ことし初めて事前に募集したおよそ300人のファンの前で会見を行ったつば九郎。小川淳司ゼネラルマネージャーも同席しました。
昨シーズン村上宗隆選手に奪われていたグッズ売り上げ1位の座を取り返したものの、納得のいく条件を提示されなかったとして、去年(2023年)契約を保留していました。

シーズンオフのつば九郎これまで

つば九郎は平成6年にデビューし、ことしでちょうど30年。これまでも、シーズンオフには契約更改などで多くの話題を振りまいてきました。ここ10年くらい振り返ってみます。

2012年・角界入り誘われる

球団からFA=フリーエージェントを宣言したつば九郎。この年の12月には、親交のある大相撲のキャラクター「ひよの山」から角界入りを誘われ、国技館で相撲を体験しました。
この時、つば九郎は筆談でつぎのような趣旨の話をしていました。

つば九郎
「相撲の経験はありませんが、ひよの山との稽古は興奮してしまいました。行司にも興味がありますが、おいしいちゃんこを食べることができれば角界入りを考えてもいいです」

結局残留。契約書に『ハンコ』2012年12月26日

2016年・ディナーショー

「ディナーショー」と言えば、豪華な食事に歌手の歌、というのが定番な気がしますが、この年は、なんと「つば九郎」がディナーショーに登場。相手は、こちらも人気キャラの中日の「ドアラ」とロッテの「マーくん」でした。チケットの価格は2万円で、ダンスの披露やファッションショーなどが行われたそうです。

2021年・またもやFA宣言で、100以上のオファー

東京五輪・パラが行われた2021年のオフに。東京五輪で、史上最年少で金メダルを獲得した、スケートボードの西矢椛選手の実況を意識したのか、このようなコメントを発表し、再びFAを宣言しました。

「つばくろうは、FAせんげんいたします。2021つばくろうまふゆのだいぼうけんだ!!」

その後、最終的には100を超える企業や団体などからオファーがありました。例えば…。

新潟アルビレックスBC
独立リーグの新潟アルビレックスBC。監督は、ヤクルトでプレー経験のあった橋上秀樹さん。ちなみにつば九郎に提示された条件は、日本酒飲み放題、県産コシヒカリ食べ放題という新潟ならではのもの。3年契約にこぎつけたい考えでした。

新潟県燕市は、球団との交流事業で「つば九郎米」(コシヒカリ)を栽培 2014年撮影

新潟県燕市「CMBとして…」
さらには、同じ新潟県燕市もオファーを出しました。燕市は同じ「つばめ」を縁にして、2010年から交流を続けていました。

新潟県燕市
「つば九郎と燕市はどこにいても固い絆で結ばれているが、燕市もオファーをしたいと考えている。市のPRのため、『CMB=チーフ・マーケティング・バード』のポストを用意したい」

条件は、4年契約、年俸は「つば九郎米」2896グラム。また、洋食器の生産が盛んなことから、さらに出来高としてスプーンとフォークを用意することも検討していました。

愛媛県と松山市
平成16年からヤクルトの秋のキャンプを張っている松山市。
市は獲得条件として道後温泉入浴の年間フリーパス、道後地ビール飲み放題、みかんジュースが出る蛇口の使い放題など松山ならではの条件を提案しました。
また愛媛県も、みかんジュースや県産のかんきつの食べ飲み放題などを示しました。

結局…
つば九郎がどういった選択をするのか、その動向が注目されていましたが、年を越した2022年1月7日に球団と交渉し、年俸2万2000円アップの5万円と自社の乳製品乳酸菌飲料飲み放題に加え、活躍に応じてクーポン券が支給される条件で残留することになりました。

会見の冒頭、ベテランの石川雅規投手や青木宣親選手など、残留を要望するチームメイトからのメッセージの映像を見ると筆談で「かんとくをはじめ ちーむのみんなのあついきもちに むねがあつくなりました」とコメントしました。

そして、残留を決めた理由について「こんなにちーむのみんなふぁんのみんなにきたいされて おかねじゃない!きもちです!じぶんのこころは1つです」とコメントしていました。ちなみに、中日の「ドアラ」が代理人を務めたのだとか…。

2022年・怒りの保留

殊勝なコメントで残留したつば九郎。2022年には、平成6年のデビュー以来、ホームでの2000試合出場を達成。ところが、シーズンオフの契約交渉では「保留」しました。

交渉後、会見場に入るやいなやスケッチブックを机に投げ捨て不満そうな態度を見せたあと「ふほんいではありますがほりゅうしました」と記しました。

2022年シーズンは年俸5万円、乳製品乳酸菌飲料の商品飲み放題などの契約を結んでいましたが、グッズの売り上げが三冠王に輝いた村上宗隆選手に抜かれて2位になったことから、来シーズンの契約条件から商品飲み放題が外されました。会見場をあとにする際は、怒りのメッセージを出しました。

「2000しあいたっせい どんないいけしきがみられるのかたのしみでしたが しかいがわるくなにもみえなかったのでほりゅうです!」

その後、年を越して2023年1月25日、改めて球団と交渉し、年俸5万円に加え、商品飲み放題の条件を取り戻して納得の条件で契約をしました。代理人はこの年も「ドアラ」。つば九郎は筆談で「ゆうのうなだいりにんをつれて こんしーずんのけいやくをむすびました!!!」と発表しました。

つば九郎によりますと、問題となったグッズの売り上げについて、村上選手から

村上選手

悔しかったら1位を取り返して。

と連絡があったということです。
つば九郎は、トップ奪還のためには手段を択ばない考えを示しました。

「ひまがあればぐっずしょっぷにたちます!むらかみぐっずをかくしてでも つばくろうのをうるから!!」

ただ、それだけでは終わらないのがつば九郎。
WBC=ワールド・ベースボール・クラシック出場を狙っていると日本代表の栗山監督にアピールした上で、すでにメンバー入りが決まっていた村上選手に向けて「いっしょにゆうしょうめざしましょう!! 4ばんはつばくろうだ!!」というメッセージを残していました。

きょうの会見

きょうは、都内のホテルで2回目となる今シーズンの契約更改交渉にのぞんだつば九郎。
年俸は1万円アップの6万円、それに加えて商品飲み放題の条件を勝ち取りました。

「まさか ささきろうきくんよりけいやくこうかいがあとになりしょうじき『まさにおおとり』おいしいとおもっています」

会見ではおととしのシーズンにグッズの売り上げを抜いた村上選手からの映像が流れ、「ちーむのゆうしょうにむけてがんばってほしいです。グッズ1いはもうぬかせません」とライバル心をあらわにしていました。その上で、将来の大リーグ挑戦について質問を受けると…。

「それはない ひつだんでえいごむり」

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