プール熱流行続く千葉 埼玉などで警戒レベル超え 溶連菌感染症も増加傾向
- 2023年11月21日
子どもを中心に流行が続く咽頭結膜熱＝いわゆるプール熱の11月12日までの1週間の患者数は、前の週からさらに増えて過去10年間で最も多い状態が続いています。
警報レベルの目安となる「3」人を超えているのは、福岡県や奈良県など25の都道府県で、関東地方は千葉県と埼玉県、それに東京都が含まれています。
また、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染者が増加していて、専門家は「引き続き手洗いなどの基本的な感染対策を取ってもらいたい」と話しています。
プール熱 感染拡大続く
咽頭結膜熱は、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルや▽プールでの接触などを介しても感染します。
～過去10年で最多～
国立感染症研究所によりますと、11月12日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は前の週より2455人多い、1万173人となりました。1医療機関あたりでは、前の週を0.78人上回って3.23人となり、4週連続で、過去10年間で最も多くなっています。
～千葉 埼玉 東京…警報レベルの目安「3」超～
都道府県別では、福岡県が7.41人、▽奈良県が6.41人、佐賀県が6.3人、北海道が5.73人、富山県が5.52人、沖縄県が5.03人、福井県が4.84人、石川県が4.38人、長崎県が4.05人、千葉県が3.89人、京都府が3.86人、三重県が3.82人、埼玉県が3.8人、大阪府が3.67人、熊本県が3.66人、宮崎県が3.61人、東京都が3.48人、大分県が3.42人、和歌山県が3.4人、徳島県が3.3人、香川県が3.18人、兵庫県が3.15人、鹿児島県が3.08人、山形県が3.07人、岐阜県が3.04人となっていてあわせて25の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。
「溶連菌感染症」の一種も増加傾向
このほか、主に子どもが感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染者も増加傾向です。
11月12日までの1週間に報告された患者数は全国であわせて1万523人、1医療機関あたりでは3.34人となっていてこの時期としては過去10年間で最も多くなっています。
子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長
「引き続き手洗いなどの基本的な感染対策を取ってもらいたい。溶連菌感染症はきちんと治療をしないと急性腎炎やリウマチ熱などの合併症が起こることがある。急に高い熱が出て、鼻水があまりなくてのどが痛い場合は、早めに医療機関を受診してほしい」
