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東京 青梅市長選挙2023 開票結果は 11月12日投開票

  • 2023年11月14日

任期満了に伴う東京・青梅市の市長選挙は現職と新人の2人が立候補し、11月12日に投票が行われ、国民民主党と地域政党の都民ファーストの会が推薦した新人の大勢待利明氏が、自民党と公明党が推薦した現職の浜中啓一氏を破って、初めての当選を果たしました。投票率は前回・4年前を上回りました。開票結果です。

青梅市長選 大勢待氏が初当選

青梅市長選挙の開票結果です。国民民主党と地域政党の都民ファーストの会が推薦した大勢待氏が自民党と公明党が推薦した現職を破って初めての当選を果たしました。投票率は、投票率は39.56%で前回・4年前を3.05ポイント上回りました。東京・多摩地域ではことし9月の立川市長選挙で自民党が推薦した候補が、10月の都議会立川選挙区の補欠選挙で自民党公認の候補がいずれも敗れました。

当選の大勢待氏は

当選した大勢待氏は48歳。IT企業の社員や青梅市議会議員を経て、今回、初めて市長選挙に立候補しました。大勢待氏は13日、青梅市役所で選挙管理委員会の委員長から当選証書を受け取りました。当選が決まったあとと、当選証書を受け取ったあと、取材に応じました。

大勢待利明氏
「青梅を変えたいという市民の声が多かった。公約で掲げた子育て支援、公共交通、公共施設の政策を第一に取り組んでいきたい。これだけの票をいただき、やるしかないという思いです。選挙によって青梅や政治が変わるんだということを結果で示していきたい」

青梅市民の反応は

今回の選挙結果について、青梅市の人たちに話を聞きました。

青果店を営む60代男性
「もっと僅差だと思っていた。市民の中にも新しい空気になってほしいという思いもあったと思う」

60代女性
「大勢待さんは若い人に、浜中さんは高齢者にアピールしている印象だった。生活や足元を見て、これからの未来がある子どもたちの福祉を充実させてほしい」

子育て中の30代女性
「市民が違う人で流れを変えてほしいと思ったのかなと思う。新しく市長になる方は給食費無償化など子育て支援を訴えていたので頑張って取り組んでほしい」

自治会活動をしている70代男性
「年配の人も以前は、自民党に入れていたと思うが、考えた方が変わり、何もやってくれないと感じてこのような結果になったのではないか」

長年 自民党推薦の候補に投票してきたという90代女性
「青梅は自民党かなと思っていのたでびっくりした。店がどんどん閉店し、買い物できる場所もないので、なんとかしてほしい」

政党の反応は

政党の反応です。

都議会自民党の幹部
「現職候補で、ここまでの票差が出るとは思わなかった。非常に厳しい結果だったと言わざるを得ない。相手は若い候補者で、若い世代に支持のすそ野を広げられなかったことが
大きな原因ではないか。最近の政権運営に対する批判から、有権者の中に『何かを変えたい』という流れがあるように感じていて、課題として重く受け止めている。(今後に向けて)有権者が何を求めているのか、その期待に応えきれていない。国やほかの首長との
つながりがあることが自民党の強みだが、今はその政権が批判を受けている。若い世代が投票するようになり、昔ながらの古い自民党のやり方のままで浸透していくのは難しく、どのように支持を訴えていくか考えなければならない」

公明党東京都本部の幹部
「今回の選挙は、公明党として推薦を出していて、しっかりと応援した。結果については、
自民党が強い地域であったはずなのに負けたので、『どうして』という印象だ。(敗因について)相手の候補がよかったというよりは、本人の必死さが足りなかったことや、政策が市民に受け入れられなかったことが大きな要因ではないかと思う。国政選挙の影響については、あるかも知れないが正直わからない。首相が次の選挙までにどれだけアピールできるかで変わると思う」

立憲民主党東京都連の幹部
「政権与党である自民党や公明党の推薦を受けた現職の候補が、8000票の差をつけられた結果にはとても驚いている。自民党は、政権や政党支持率が低迷している状況もあり、
立川市長選挙などでも結果が出ておらず、党への批判は思っている以上に根深いものなのかもしれない。自民党に批判的な人たちの受け皿に、今回、都民ファーストの会や国民民主党がしっかりとなれたのだと思う。今後の選挙に向けて、野党共闘への理解も得ながら、
そういった人たちの受け皿となれるよう、いっそう取り組んでいきたい」

都民ファーストの会の幹部
「選挙戦では、有権者が手を振ってくれるなど手応えを感じていた。保守系が強い地域で
勝利することができ快挙だ。(勝因は)現政権への不満が表れた部分もあると思うが、市政への停滞感や閉塞感も強く『変えてくれ』という期待もあったと思う。給食費の無償化や市内にある大学の跡地への対応など市民が共感を持てる政策を訴えたことも要因ではないか。都議会議員立川市選挙区の補欠選挙に続いての2連勝と捉えており、衆議院選挙がいつ行われてもいいように準備するとともに、1つ1つの選挙にしっかり臨み、いい流れをつくっていきたい」

担当記者が解説

今回の青梅市長選挙について、取材にあたった多摩支局の西澤記者が解説します。

Q. 長年、自民党推薦の候補が当選してきた青梅市長選でなぜ、このような結果に?

大勢待氏は今回、子育て支援策の充実や市内にある大学跡地の購入中止など有権者に変化を訴えて当選しました。それを支えたのが、選挙戦で大勢待陣営の選対本部長も務めた都民ファーストの会の森村隆行代表です。
実は森村氏、おととしの都議選青梅市選挙区で自民党の候補との一騎打ちでおよそ1万票の差をつけて勝つなど地元で一定の人気を得ていてこの支援が保守層の票を切り崩し、勝因の1つになったといえます。
自民党の地元市議の1人は「森村氏の支援で保守層の票がかなり流れた。国政での自民党に対する逆風も影響したと思う。

Q. 「国政での逆風」が今回の市長選にも影響したということか?

地方政治に詳しい法政大学の白鳥 浩教授は「政権への評価に直結する選挙だったのではないか。与党と野党の全面的な対決ではなかったものの、新人が政権批判の受け皿になったといえる」と話しています。一方で、「閉塞感を打ち破ってほしいという日本全体のムードも反映されたのではないか」とも話しています。
「現状を変えて欲しい」といった声は今回、青梅市民への取材でも多く聞かれており、新しい市長にはこうした状況をどう打破していくのか問われることになります。

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