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東海道新幹線の車内ワゴン販売なぜ終了 カタイアイスは? サービスどうなる

  • 2023年10月31日

新幹線で移動する際に利用した方も多いのではないでしょうか。東海道新幹線の開業当初から行われている車内のワゴン販売が10月31日で終了しました。改めて車内販売の強みをいかすなどワゴン設計の工夫を見るとともに、人気のかたいアイスクリームの販売など、今後のサービスがどうなるかについてまとめました。

60年の歴史 東海道新幹線のワゴン販売終了

東海道新幹線の列車内で軽食や飲み物などを提供する車内販売は、1964年の開業時に始まり、現在、「ひかり」と「のぞみ」でワゴンでの販売が行われていますが、JR東海は10月31日でワゴン販売のサービスを終了しました。

 

60年とはすごい。なくなっちゃうのか…。

 

ひとつの歴史の幕が閉じる感じはある。

飲料や食品の車内への持ち込みが増えて売り上げが減少していることに加え、人手不足で販売スタッフの確保が難しくなっていることが要因です。

“安全性を重視” ワゴン設計の工夫とは

福島県に会社は、20年ほど前から東海道新幹線の車内販売用のワゴンを製造してきました。ワゴンは、新幹線の車内の揺れなどを考慮して、安全性を重視した設計にしたということです。

ワゴンは商品を積むとおよそ100キロになります。ワゴンを押すレバーから手を離すと自動でブレーキがかかるほか、転倒しないように重心が低い構造になっています。

車内販売の強みをいかす

また、いわゆる「駅ナカ」の店舗が充実するなかで、JR側の要望に応じて冷たいものや暖かいものをその場で提供できる車内販売の強みをいかして飲み物の販売を重視した設計にしました。

出張帰りの人たちがビールを購入することが多いため、缶ビールを24本入りのケースごと運べる構造になっているほか、ワゴンの素材は断熱性のものを使いました。

ミムラ工業 三村俊明 社長(ワゴンを製造)
「乗客に楽しく便利に利用してほしいという思いで20年間、携わってきました。終了は残念ですが、好みの多様化にあわせて弁当一つとっても何十種類と駅で販売している状況の中で、車内販売という小さなお店は一つの転換期を迎えたのかなと受け止めています」

なぜ「カタイ」 人気のアイスクリーム

ワゴン販売の中でも、ニーズが高かった商品の1つがアイスクリームです。食感で“高級感”を感じてもらおうと、アイスに含まれる空気の量を少なくしているため密度が高くなり、通常のアイスよりも溶けにくいのが特徴だということです。

さらに、メーカーとワゴン販売を行う会社が協力してマイナス60度以下とされるドライアイスを詰めた専用の保冷バックで販売することで、アイスが冷えて固まった状態で提供されてきたということです。

その「かたさ」が数年前からSNS上で話題となり、去年4月からは「シンカンセンスゴイカタイアイス」という通称で販売されるようになりました。

自動販売機で販売されるアイスは…

ワゴン販売の終了に伴い、ニーズが高かったアイスクリームとドリップコーヒーについては「のぞみ」の停車駅のホームに自動販売機を設置して販売するとしています。

車内のワゴン販売を行う会社によりますと、ホームに設置される自動販売機で販売されるアイスは温度設定がマイナス25度で、「スゴイカタイアイス」と同じ「かたさ」にはならないということです。

「スジャータめいらくグループ」広報担当 大橋里奈さん
「かたさは皆さんのひとつの楽しみであったかも知れないですが、今後もグリーン車やホームでお買い求めいただけるので、かたさ以外に味にも注目していただいて、旅のお供として楽しんでもらいたいです」

車内サービスの今後は?

東海道新幹線では、11月から、グリーン車の乗客を対象にスマートフォンを通じて飲料や食品の注文ができる新たなサービスを導入します。2004年からワゴン販売を担当してきたパーサーの川尻真富果さんは、モバイルオーダーのサービスに携わるということです。

川尻真富果さん
「長きにわたり利用してくれたお客さんに感謝の気持ちを伝えたい。時代の流れでサービスの形は変わるが、お客さんに寄り添う気持ちは変わりません」

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