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アルツハイマー病 新薬レカネマブ値段は 承認申請ドナネマブの治験結果は

  • 2023年9月27日

アメリカの製薬大手「イーライリリー」は、開発中のアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」について国の承認を求める申請を行ったと発表しました。この薬の最終段階の治験の結果のほか、すでに正式承認された「レカネマブ」について価格の算定や公的医療保険の適用など今後の議論の焦点とあわせてまとめました。

開発中のアルツハイマー病 新薬「ドナネマブ」

アルツハイマー病になった患者の脳には、「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質がたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。
アメリカの製薬大手「イーライリリー」が開発中のアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」は、人工的に作った抗体を「アミロイドβ」に結合して取り除く「抗体医薬」です。

「ドナネマブ」を承認申請 イーライリリー

アメリカの製薬大手の「イーライリリー」は26日、都内で開かれたフォーラムでアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」について、厚生労働省に承認を求める申請を行ったことを明らかにしました。

最終段階の治験結果

「イーライリリー」によりますと、最終段階の治験の結果で、この薬を投与されたグループは、「プラセボ」と呼ばれる有効成分が入っていない薬を投与されたグループと比べて、1年半後の認知機能の低下がおよそ35%抑えられ、症状の進行を遅らせる効果が確認されたとしています。

一方、薬を投与したあとに、脳の腫れや出血のリスクが高まることや死亡した人がいることも報告されていて、会社は今後も安全性の確認を続けていくことにしています。
「ドナネマブ」はアメリカとEUでも承認申請が行われています。

「レカネマブ」厚労省が正式承認 9月25日

アルツハイマー病の原因物質に直接働きかける新薬をめぐっては、日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した、認知症の原因の1つアルツハイマー病の新しい治療薬、「レカネマブ」について厚生労働省は9月25日、正式に承認しました。

アルツハイマー病の原因物質に直接働きかけ取り除くための薬が国内で承認されるのは初めてです。

価格や医療保険の適用について議論開始

これを受けて中医協=中央社会保険医療協議会は9月27日から、価格の算定や公的医療保険の適用をめぐる議論を始めました。

・年間の市場規模 1500億円超の可能性
・“効果への期待大きく保険適用を”
・“保険財政への負担大 対象や投与期間を適切に”

すでに承認されているアメリカでは、年間の価格が1人あたりの平均でおよそ390万円に設定されていて、厚生労働省は患者の数などによっては、年間の市場規模が1500億円を超える可能性があるとしています。

委員からは、薬の効果への期待が大きいとして、安全性を担保した上で保険の適用を求める意見が出された一方、「保険財政への負担が極めて大きいため、対象となる患者や、投与の期間などを適切にすべきだ」といった意見も出されました。

そして、正式承認から90日となる12月下旬までに保険適用にすることを目指し、価格の算定を進めていく方針を確認しました。

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