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“ヘルパンギーナ”警報レベルを群馬など25都道府県で上回る

  • 2023年7月12日

夏に患者が増えるウイルス性の感染症「ヘルパンギーナ」。
5歳以下の子どもがかかりやすく、発熱のほか、口の中に水ぶくれができたり、のどが痛んだりといった症状が出ます。

その「ヘルパンギーナ」は、7月2日までの1週間に報告された患者の数が過去10年で最多となったほか、群馬県など25の都道府県で警報レベルを上回りました。

ヘルパンギーナ 過去10年の最多更新

国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者の数は7月2日までの1週間で合わせて2万360人で、1医療機関あたり6.48人でした。

これは過去10年で最も多かった前の週をさらに上回っています。

1医療機関あたりの患者数が「6」を上回ると警報レベルとされていますが、最も多い宮城県が15.85人で、三重県や鹿児島県、群馬県でも10人を上回るなど、25の都道府県で警報レベルを上回りました。

~RSウイルスは・・・前週から横ばい~
一方、例年より早く流行が始まっているRSウイルスについては、1医療機関あたりでは3.17人で前の週からほぼ横ばいとなりました。

日本小児科医会で感染症対策に携わる峯眞人 理事
「ヘルパンギーナは原因のウイルスが複数あり、今後も患者が増える可能性がある。これだけ急激に広がったウイルスはこれからも消えてなくなることはないので、マスクや手洗いなど基本的な対策をとってほしい」

“かぜの症状を訴える子ども急増”

日本小児科医会で感染症対策を担当している峯眞人理事のクリニックでは、かぜのウイルスに感染した子どもが相次いでいるということです。

このクリニックではことし5月以降、新型コロナ以外にも、発熱やせきなど、かぜの症状を訴える子どもが急増しているということです。

症状が長引く子どもについては、ヘルパンギーナ以外にも22種類の呼吸器感染症のウイルスなどの検査を行っていて、ことしはパラインフルエンザウイルス、ライノウイルス、それにアデノウイルスなどが検出されるケースが多いということです。

これらのウイルスは通常のかぜのウイルスですが、中には気管支炎や肺炎などで症状が重くなる子どももいるということです。

ウイルスは初めて感染した際に症状が重くなることがあり、これまで新型コロナの対策によって、ほかのウイルスにも感染する機会が少なかった4歳や5歳などの比較的大きな子どもが、ことし感染している可能性があるということです。

峯眞人 理事
「何種類ものウイルスが同時にはやっていて治りかけても別のウイルスに感染して症状が重くなっているのかもしれない。重症化させないことが大事なので、診断がただのかぜだったとしてもよくない症状が出ていれば早めに受診してほしい

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