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TX つくばエクスプレス延伸構想 土浦方面を目指す 決定の経緯は?

  • 2023年6月23日

2050年ごろの構想として、つくばエクスプレスの県内での延伸を掲げる茨城県は、4つの候補の中から延伸先を土浦方面とすることを決め、構想の具体化に向けて検討を進めていくことになりました。延伸先についての第三者委員会の提言やパブリックコメントの結果などとあわせてまとめました。

つくばエクスプレス延伸構想 絞り込みは

「秋葉原」と「つくば」を結ぶ「つくばエクスプレス」について茨城県は、2050年ごろの構想として、延伸先に、筑波山方面、水戸方面、茨城空港方面、土浦方面の4つを挙げ、2022年度から絞り込みを行ってきました。
そして、県の設置した第三者委員会は、2023年3月、土浦方面に延伸して土浦駅でJR常磐線と接続するという提言書をまとめていました。

パブリックコメント 土浦方面の意見提出が最多

茨城県はこの提言を踏まえ、延伸先を土浦方面とする考えを示したうえで、5月1日から30日間、パブリックコメントを行いました。
その結果、283の個人や団体から意見が寄せられ、県によりますと、このうち82%にあたる232の個人や団体が県内への延伸に賛成だったということです。

意見の提出者が最も多かったのは、土浦方面で、125の個人や団体。次いで茨城空港方面が71、水戸方面が20、筑波山方面が13だったということです。

土浦方面への延伸については、実現可能性が高いこと、公共交通の利便性アップにつながること、県全体への波及や将来的には茨城空港への延伸にもつながることなどを評価する意見が寄せられたということです。

一方で、延伸そのものに反対する意見も35あり、採算性に乏しく赤字路線化が懸念されるといった内容だったということです。

土浦駅でJR常磐線と接続を目指す

茨城県の大井川知事は6月23日、つくばエクスプレスの県内の延伸先について土浦方面に延伸し、土浦駅でJR常磐線と接続することを目指して構想の具体化に向け検討していくと発表しました。
茨城県は、2023年度、費用対効果や採算性を向上させる方策などを調査・検討するとともに、延伸ルートや事業スキームを検討することにしています。

土浦方面への延伸が実現したあと、状況が変われば、茨城空港方面への延伸についてあらためて議論するとしています。

大井川知事
「実現可能性のある延伸先であることが、最も重要だと考えて判断した」

土浦方面への延伸メリットと課題

茨城県は、つくばエクスプレスが土浦方面へ延伸するメリットとして、東京圏から新たな人の流れが期待できることや、つくばエクスプレスとJR常磐線がつながり、災害時などに有効だとしています。

一方、大きな課題となっているのは事業費の負担のあり方です。茨城県の調査では、土浦方面に延伸した場合の概算事業費は1400億円にのぼる見込みです。

事業費の負担 3都県の理解を得たい考え



つくばエクスプレスの運行会社の株主となっている茨城県と東京都、それに千葉県、埼玉県はかつて、「東京方面以外への延伸はそれぞれの県が費用を負担する」ということで合意しています。

茨城県は単独で巨額の費用を出すことは難しいと考えていて大井川知事は、6月23日の会見で東京都が都心と臨海部を結ぶ新たな地下鉄の事業計画案でつくばエクスプレスとの接続を検討するとしたことに関連し「合意をなかったことにしてもらい、県内延伸と東京延伸を同時に進めようという構図に持っていきたい」と述べて今後、3都県にも費用負担について理解を得たいという考えを示しました。

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