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  • 2023年4月26日

AI試算 東京都コロナ感染者数は 5類移行後 5月中旬 8月下旬では

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新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されたあとの東京都内の新規感染者数はどう変化していくとみられるのか。名古屋工業大学のグループは最新のデータをもとにAI=人工知能を使って試算した結果を示しました。大型連休明けの5月中旬やお盆明けの8月下旬についての試算結果や「5類」移行後の感染者数の公表についてまとめました。

都内の新規感染者数 増加傾向

厚生労働省は4月25日、東京都内で新たに1909人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の火曜日より213人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは9日連続です。

東京都が4月20日に公表した新型コロナのモニタリング項目の分析結果によりますと、都内の新規感染者数の7日間平均は19日時点で1166人と、前の週のおよそ105%となっていて、4週連続で100%を上回りました。  
専門家は、「現時点では感染拡大のスピードは速くないが、動向を注視する必要がある」として、警戒を呼びかけています。

AIを使って試算 今後の感染者数

名古屋工業大学の平田晃正教授のグループは、さらに感染力が強い変異ウイルスが現れず、ことし夏ごろには人出がコロナ前の水準に戻るという想定で、24日までの感染者数や、「飲み会」や「バーベキュー」といった社会活動の活発さを示すSNSの投稿の数などのデータをもとに今後の感染者数をAIを使って試算しました。

都内の感染者数 5月中旬 8月下旬では

5類に移行される予定の5月8日以降にマスクの着用率が20%、50%、それにほとんどの人がマスクをしている場合、いずれの場合でも5月中旬には東京都の1週間平均での1日あたりの感染者数はおよそ3100人となりました。

その後、感染者数は着用率によって差が出始め、お盆明けの8月下旬には20%だと6900人、50%では5400人、ほとんどの人がマスクをしている場合は、4100人という結果になりました。

以前の試算より感染者数少ない理由は

今回の試算では以前に行った試算より感染者数が少なく、4月に入ってから飲み会を示唆するSNSの投稿が減っていてAIが感染の広がりが小さくなると認識した可能性があるとしています。

名古屋工業大学 平田晃正教授  
「多くの人は感染対策をしながら徐々に緩和に向かっているのではないか。5類への移行後も高齢者と会うときなど場面に応じた対策をしながら過ごしてほしい」

「定点把握」で変わる 感染者数の公表

「流行状況の把握」について、患者の情報を一元管理する「HER-SYS」と呼ばれるシステムを通じて、医療機関や自治体から報告を受ける「全数把握」が行われていて、自治体が新規感染者の総数や年齢層、性別を1日ごとに公表しています。

5類へ移行が予定されている5月8日から「定点把握」に切り替われば、自治体による日々の集計や発表は打ち切られ、1週間ごとの集計結果を国立感染症研究所が毎週、ホームページ上で公表するかたちとなります。

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