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黄砂 花粉症やぜんそくの悪化おそれ 東京での観測は2年ぶり

  • 2023年4月13日

13日は関東甲信の広い範囲に黄砂が飛来し、東京の都心でも観測されました。
東京の都心で黄砂が観測されたのは、2021年5月以来です。

黄砂について、専門家は、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を悪化させるおそれがあるとして、いつも以上に注意してマスクを着用するなど、黄砂をなるべく吸い込まないよう対策が必要だと呼びかけています。

東京で黄砂観測 2021年以来 2年ぶり

気象庁によりますと、12日から大陸からの黄砂が国内の広い範囲に飛来していて、関東甲信でも13日朝から観測されています。

東京の都心でも黄砂が観測され、物が肉眼ではっきり見える範囲の「視程」は午前10時現在、10キロ以上となっています。
東京の都心での観測は2021年5月以来です。

また、埼玉県熊谷市と前橋市では「視程」が10キロ未満となり、見通しが悪くなっている地域もあります。

関東甲信への黄砂の飛来は14日にかけて続くと予想されていて、各地で「視程」は10キロ未満と見通しが悪くなるおそれがあります。

屋外の洗濯物に黄砂が付着するなどの影響が出るため、気象庁は引き続き注意を呼びかけています。

花粉症 ぜんそくなどを悪化おそれ

広い範囲で観測されている大陸から飛来した黄砂について、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を悪化させるおそれがあるとして、専門家はいつも以上に注意してマスクを着用するなど、黄砂をなるべく吸い込まないよう対策が必要だと呼びかけています。

日本アレルギー学会常務理事で、日本医科大学多摩永山病院耳鼻咽喉科の後藤穣部長は、黄砂について「医療の現場では黄砂が多いときには花粉症の症状が悪化することが知られている。黄砂の粒子そのものが目や鼻の粘膜を傷つけたり、黄砂と一緒に飛んでくる細菌やカビなどによって免疫反応が悪化したりすることで、炎症がよりひどくなると考えられている。花粉症以外にも気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎など、別のアレルギー症状も悪化するおそれがある」と指摘しています。

その上でアレルギー症状のある人は、マスクの着用や処方薬の服用を継続することなどが大切だと呼びかけます。

日本アレルギー学会 常務理事 
日本医科大学多摩永山病院耳鼻咽喉科 後藤穣 部長

「アレルギー症状のある人は外出するときはマスクやメガネでなるべく黄砂そのものを取り込まないようにすることが原則だ。シーズン終盤で花粉の量が落ち着いてきたこともあって、処方された花粉症の薬の服用をやめてしまっている人もいると思うが症状悪化を防ぐためにも決められた通りの服用をおすすめしたい」

これまで影響少なかった地域でも対策必要

今回の黄砂について国立環境研究所の清水厚主幹研究員は、特に北海道や東北で高い濃度が予測されていることが特徴だと指摘しています。

黄砂が飛来する地域は2010年ごろにかけて西日本が比較的多かった一方、この10年ほどで北日本に到達するケースも目立つようになっているということです。

この原因として、日本の上空を流れる偏西風が北に蛇行することが多くなり、それに伴って黄砂も北寄りに飛来するようになったと考えられるとしています。

清水主幹研究員
「黄砂というと西日本の日本海側というイメージを持つ人が多いが、今後は北日本や東日本などこれまで影響が少なかった地域でも対策がより必要になる可能性がある。今後の情報に注意し、特にアレルギーや呼吸器系の持病がある人などはマスクをしたり、外出を控えたりする対策を心がけてほしい」

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