長野市の善光寺にある「びんずる尊者」の木像が再び本堂で公開され、待ちわびていた多くの人たちが訪れました。4月5日に盗まれ戻されたもので、盗難を防ぐための対策も講じられたということです。これまでの経緯と対策の内容です。
「びんずる尊者」は高さが1メートルほどの座像で、300年以上前につくられたとされ、長野市にある善光寺の本堂を入ったところのすぐの場所にあります。
釈迦の弟子でなでるとその部位の病気が治るという信仰があり、「なで仏」とも言われ300年以上多くの人になでられてきました。
体をなでたしゃもじでごはんを食べるとその年1年、病気やけががないとされています。
その「びんずる尊者」の木像は4月5日に盗まれました。善光寺によりますと、警察に通報したのは午前8時40分すぎで、午前8時までは寺の関係者が本堂にあるのを確認していたということです。
その後、およそ2時間半後に60キロほど離れた松本市内の車の中で見つかり、6日には善光寺に無事戻されました。
目立った損傷もなく、10日正午すぎに僧侶が白いに布に包まれた像を慎重に運び入れて、本堂の台座の上に置きました。
法要で布がほどかれ、「びんずる尊者」が姿を現すと、このときを待ちわびて訪れていた多くの人が、御利益にあやかろうとなでていました。
膝が痛いので治してほしいと思って来ました。善光寺の宝であり、私たちにとっても大切なものなので、戻ってきてよかったです。
善光寺では盗難を防ぐため、重さの変化を検知するシステムを新たに導入しました。像が動かされたり、移動させられたりした場合、センサーが把握し、関係者に即座に通知されます。警備の人員も増やしたほか、防犯カメラの増設も検討しているということです。
善光寺事務局 林明晋寺務総長
「びんずる尊者像がお帰りになってと言うことで大変安堵しております。無事に帰ってこられましたので触って自分の痛いところなどをなでていただければと考えています」