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軍事侵攻1年 ウクライナ出身の女性「日本からのサポート必要」

  • 2023年2月24日

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって24日で1年、東京都内の教会ではウクライナからの避難者などが集まり、平和への祈りをささげました。
狛江市では、避難してきた住民の姿など厳しい現状を伝える写真展が開かれています。
ウクライナ出身の女性は、「平和のために日本からのサポートが必要なので助けてほしいです」と話しています。
軍事侵攻から1年、東京都内の動きです。

都内でウクライナ平和祈る

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって24日で1年になるなか、東京・港区の教会ではウクライナからの避難者などが集まり、平和への祈りをささげました。

東京・港区の教会では、24日ウクライナ正教会の呼びかけで日本に避難してきた人やウクライナ出身の人などおよそ50人が集まりました。

この中で、ウクライナ出身のカテリーナ・グジーさんが「早く平和で安全な空になりますように」と話したあと、バンドゥーラという伝統の楽器を弾きながらウクライナ民謡や「翼をください」を歌いました。

最後には、参加者全員で賛美歌を歌ったあと、司祭がウクライナ語で「ウクライナに栄光あれ」と呼びかけていました。

マリウポリから避難している女性(51)
「75歳だった私の母親は軍事侵攻で持病が悪化して亡くなりました。ただただウクライナの勝利を信じています」

日本に20年以上住んでいるウクライナ出身の女性(51)
「それぞれ命や家族、希望や人生の計画があったけれど軍事侵攻ですべてが止まりました。ウクライナの人々が自由と独立を愛していることを日本の人にわかってほしい」

ウクライナ正教会 ポール・コロルーク司祭
「日本の人には1分でも2分でもいいので毎日、ウクライナのことを考え、祈ってほしい」

厳しい現状伝える写真展

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、避難してきた住民の姿など厳しい現状を伝える写真展が東京 狛江市で開かれています。

この写真展はロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから1年になるのを前に、日本ウクライナ友好協会が協力して開かれ、会場には報道写真家の渋谷敦志さんがウクライナで撮影した50点余りの写真が展示されています。

このうち去年12月に東部の都市ドニプロで撮影された写真では、列車に乗って避難してきた車いすの男性が、暗闇のなか、駅で健康状態が悪化していないか確認される姿が写されています。

また、去年12月にハルキウ州で撮影された写真では、同じ地域で暮らす高齢者に食料を届けるため、凍った川の上に立って、氷に穴をあけて糸をたらして釣りをしている男性の姿が写されています。

報道写真家 渋谷敦志さん
「ロシアによる軍事侵攻が長期化して、緊張や不安が住民の表情に出ていました。現地では住民が助け合いながら生活していて、生活面の支援が必要だと感じました」

平和のため日本からのサポート必要

この写真展には、ウクライナ南部のザポリージャ州出身で、10年以上前から狛江市で暮らしているナタリア・リセンコさんも訪れていました。

ロシアによる軍事侵攻を受け、リセンコさんの母親は去年3月にウクライナからリセンコさんのもとに避難してきましたが、2人の兄はいまもザポリージャ州で暮らしています。

リセンコさんは、今回の写真展の開催に協力した日本ウクライナ友好協会のメンバーで、この団体ではウクライナの文化を紹介するイベントを開いたり、手芸品を販売したりして寄付金を集め、住宅の修理費などとして活用してもらうため、ウクライナに送っているということです。

写真展の会場でも、ウクライナへの支援に充てるため、リセンコさんはウクライナの伝統的な模様をデザインしたアクセサリーやお守りの人形を販売していました。

リセンコさん
「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻からまもなく1年がたつと思うと信じられないし、とても悲しく兄のことが心配です。私の心は生まれ育ったウクライナにあります。平和のために日本からのサポートが必要なので助けてほしいです」

この写真展は、狛江市の「泉の森会館」で、2月26日まで開かれています。

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