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渋谷 高校生ゴミ拾い 卒業前にSDGs環境問題 勉強しない?

  • 2023年2月3日

高校生や中学生など10代の若者がJR渋谷駅近くのスクランブル交差点やセンター街、それに道玄坂や桜丘町などの地域でゴミ拾いのボランティア活動を行いました。

中心メンバーは卒業を控えた高校3年生。愛着ある渋谷の街で環境問題を知ってもらい、持続可能な社会にしたいとゴミ拾いやイベントを開くことにしました。10代の若者に密着しました。

“渋谷”ゴミをゼロにしたい!

“渋谷をきれいにかっこいい街にしたい”とゴミ拾いに参加した高校生や中学生

全国でゴミ拾いなど、環境問題に取り組んでいるNPO法人「グリーンバード」は、都内ではJR渋谷駅や原宿駅周辺などさまざまな場所で定期的に清掃活動を行っています。

この日は団体の「高校生チーム」がゴミ拾いを企画し、中学生から高校生まで20人あまりが参加しました。

環境問題×卒業イベント

高校3年生の斎藤優生華さん(左)・立原大雅さん(右)

チームの中心として活動する高校3年生の斎藤優生華さん(18)と立原大雅さん(18)。

3月、高校を卒業し、大学に進学する予定です。
3月下旬には、卒業にあわせたイベント・ダンスパーティー“プロム”を友人たちと開催することにしています。参加条件はゴミ拾いや環境問題の勉強会(ワークショップ)に参加すること。当日は活動の報告会も開きます。

“プロム”で「楽しく盛り上がる」だけではなく、高校卒業をひとつのきっかけに、ゴミ拾いという比較的取り組みやすい活動に参加し、環境問題にも目を向けてほしいといいます。


斎藤優生華さん
環境汚染が動物に与える影響を知り、高校1年生のときからゴミ拾いを始めました。活動を通じていろいろな人とつながり、自分の世界が広くなりました。将来の夢は助け合って環境に配慮した持続可能な社会をつくることです。


立原大雅さん
渋谷はエンターテインメント、ファッションなど日本で一番多様性にあふれた街で、多くの刺激を得ました。愛着ある渋谷で若者が交流するコミュニティーに参加したいと思いました。卒業後は、高校時代に起業した会社と大学の研究を両立したいです。

渋谷の道ばたの“ゴミ”

排水溝でたばこの吸い殻を拾う参加者

ポイ捨てされた たばこの吸い殻

この日、ゴミ拾いを始めると、レジ袋やたばこの吸い殻など数多くの落ちているものが見つかりました。

割れた瓶の破片 “砕かれて無数のゴミに”

なかには、割れた瓶の破片が散らばっていたり、自動販売機の脇に大量の空き缶などが捨てられていたりしました。

1時間あまりの活動でゴミ袋5袋ほどが集まりました。チームは3月の卒業までに、さらに活動を重ねたいということです。

この日の活動ではゴミ袋で5袋ほど集まった

主なゴミ一覧
空き缶 空き瓶 紙袋 チラシ たばこの吸い殻や空箱 マスク 
ペットボトル レジ袋  ボールペン 手袋 ティッシュ 

つながる高校生の“バトン”

高校2年生 中村祈珠さん

思いは、後輩にも。高校2年生の中村祈珠さん(17)。
先輩からバトンを受け継ぎ、来年もこの活動を続けていきたいと言います。

中村祈珠さん
小学生の頃、オーストラリアにホームステイし、森林火災などを通じて環境問題に興味を持ちました。自分にできることをしたいと思い参加しています。環境問題に自然と取り組める仕組みをつくり、楽しんで活動できるようにしたいです。

後輩にエールを送る斎藤優生華さん

斎藤優生華さん
ゴミ拾いは街をきれいにして、環境負荷を減らすだけでなく、人と人がつながって地域社会を形成する役割もあると思います。コミュニティーを広げて活動を続けてほしいです。頑張ってね!

高校生の熱い行動が人を豊かに

グリーンバード 渋谷チームリーダー 澤登公孝さん

NPO法人「グリーンバード」の「渋谷チーム」リーダー・澤登公孝さんは、活動を持続可能にするには、ゴミをなくしたいという思いだけではなかなか難しいといいます。

澤登公孝さん
初めて参加しても楽しめる工夫や、何か始めたい人に良いきっかけとなるワクワクする仕組みが大切です。渋谷でボランティアがもっと楽しくできるようにしたいです。自分自身で考え、決断し、行動することが社会をより良くすると確信しています。

高校生の熱い行動が自分を含め関わっている人を豊かにしてくれています。いつもありがとう!

取材後記

ゴミ拾い活動の取り組みはほかの地域でも行われていますが、渋谷の街なかで多くの人が行き交うなか、10代の若者がボランティアとして活動する姿は頼もしさを感じました。こうした活動によって環境問題が改善し、渋谷の街がさらに魅力的になってほしいです。

取材・撮影 伊津見総一郎

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渋谷駅前では大規模な再開発が進み、スクランブル交差点やセンター街などには世界中から多様な人々が集まっています。原宿からは常に新しいファッション、文化が生まれています。

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