1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 伊豆諸島のベヨネース列岩とは 明神礁付近で海面変色 噴火警報発表

伊豆諸島のベヨネース列岩とは 明神礁付近で海面変色 噴火警報発表

  • 2023年1月27日

過去に何度も海底噴火や海面の変色が確認されている伊豆諸島の青ヶ島の南にある「ベヨネース列岩」で1月26日、海水の色が変わっているのが確認されました。気象庁は周辺海域に噴火警報を発表し、付近を航行する船舶に警戒を呼びかけています。これまでの噴火の経緯などとあわせてまとめました。(2月9日更新)

ベヨネース列岩 明神礁はその一部

気象庁によりますと、「ベヨネース列岩」は、伊豆諸島の青ヶ島の南南東およそ65キロにある複数の岩礁からなる活火山です。江戸時代に調査にあたったフランスの軍艦の名前から、その名がつけられました。

明治から昭和にかけて噴火を繰り返し、海底噴火や海面の変色が確認されています。このうち、1946年にはベヨネース列岩の一部の「明神礁」の付近で、海底噴火が相次いで複数の新しい島ができ、このうち1つは高さが100メートルに達しましたが、その後、海の中に沈みました。

また、1952年9月の「明神礁」付近の海底噴火では、調査中だった海上保安庁の観測船が噴火に巻き込まれ、31人の乗組員全員が死亡しました。

明神礁付近を中心 海水の変色を確認

気象庁によりますと、1月26日の午後1時すぎ、「ベヨネース列岩」で海面が直径100メートルにわたって淡い黄緑色に変色しているのが、海上保安庁の航空機による観測で確認されました。
変色は過去に噴火を繰り返している「明神礁」と呼ばれる水深50メートルほどの浅い岩礁を中心に広がっているということです。

気象庁は今後、海底噴火が発生する可能性があるとして、1月26日午後7時30分に噴火警報を発表しました。

海水の変色の確認 前回は2017年

ベヨネース列岩では2017年に1988年以来、29年ぶりに海面変色が確認されていました。このときは、3月から海面の変色や気泡が断続的に発生しているのが海上保安庁の上空からの観測で確認されていました。今回、ベヨネース列岩で海水の変色が確認されたのは、2017年11月以来となります。

ベヨネース列岩など その後の状況は

気象庁は2月8日、1月の全国の活火山の活動状況や警戒すべき点を発表しました。

〇ベヨネース列岩 引き続き海底噴火の可能性
このうち、「ベヨネース列岩」については、1月27日以降、航空機による観測は行われておらず、気象衛星による観測では噴火は確認されていないということです。

気象庁は噴火の際に大きな噴石や「ベースサージ」と呼ばれる火山ガスや火山灰などが高速で広がる現象が発生するおそれがあるとして、付近の海域を航行する船舶に警戒を呼びかけ続けるとともに、軽石などの浮遊物にも注意してほしいとしています。

〇海徳海山 活発な火山活動が続く
また、小笠原諸島の硫黄島の北にある海底火山、「海徳海山」付近では、2022年8月から海水の色が変わっているのが確認されていて、2023年1月も気象衛星による観測で海水の変色が確認されました。

活発な火山活動が続いていて、海底噴火が発生する可能性があるとして、気象庁は、付近の海域を航行する船舶に警戒を呼びかけるとともに、噴火した場合には軽石などの浮遊物に注意してほしいとしています。

ページトップに戻る