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DDoS攻撃への対策は アノニマスか 渋谷区ウェブサイトがなぜ標的

  • 2023年1月6日

東京・渋谷区のウェブサイトは、国際的なハッカー集団「アノニマス」からとみられるサイバー攻撃を受け、つながりにくい状態となりました。渋谷区が標的になった理由やアクセスを集中させてつながりにくくさせる「DDoS攻撃」への対策など専門家に聞きました。

渋谷区ウェブサイトを攻撃の理由は

渋谷区によりますと、区の公式ウェブサイトは国際的なハッカー集団「アノニマス」からとみられるサイバー攻撃を受け、1月3日からつながりにくい状態になりました。
アノニマスとみられるツイッターアカウントは「渋谷区と美竹公園の問題を監視し続ける」などとして路上で生活する人たちがいた美竹公園で再開発工事の一環により立ち入りができなくなったことを理由として示唆しています。

セキュリティー会社「アカマイ・テクノロジーズ」 根本隆志さん
「特定の同じメンバーが常に動いているわけではないため、アノニマスとして確固たる方針はないと思うが、過去のケースを見る限り政治的な弾圧や弱者の救済を妨げるような動きがあれば支援するように攻撃をしてくるケースがあり、今回もそれに当てはまるだろう。渋谷区自体が狙われたというよりは特定のトピック、具体的には渋谷区の対策がアノニマスの情報収集のレーダーにひっかかったのではないか」

アノニマスの主な攻撃の手法

英語で「匿名」を意味する「アノニマス」は、2006年ごろ、インターネット上の掲示板に出現した緩やかなつながりを持つハッカーのグループです。
主な攻撃の手法は、ウェブサイトやサーバーに対して大量のデータを送りつけて機能停止に追い込む「DDoS攻撃」です。
ツイッターには、アノニマスを名乗るアカウントは数多く確認されていて、今回渋谷区への攻撃を主張するアカウントもそのひとつだと見られます。

政治的主張を目的とした攻撃はほかにも

アノニマスを名乗るハッカー集団は、これまでにも世界各国の政府や自治体などに攻撃を行っていると見られています。
また、政治的な主張を目的としたハッカー集団によるサイバー攻撃は、アノニマスだけでなく、去年、日本では、「キルネット」と名乗るロシア系のハッカー集団が日本政府や公共交通機関などのウェブサイトに対してDDoS攻撃を仕掛けたと主張し実際にサイトが一時つながりにくくなる被害が出ました。

DDoS攻撃への対策は

DDoS攻撃の分析や防御システムの提供をしている「アカマイ・テクノロジーズ」の根本隆志さんはDDoS攻撃への対策について、サーバーを分散させて負荷を軽減させる「コンテンツデリバリーネットワーク」と呼ばれる仕組みや、送られてくる通信がDDoS攻撃によるものかどうか自動的に分析して必要な時に遮断するシステムを導入することなどをあげています。

根本隆志さん
「アノニマスに限らずいつ何時サイバー攻撃を受けても冷静に対処できるように、対策サービスの導入などとともに、攻撃を受けた際の対応の手順を事前に確認しておくことが大事なポイントになる」

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