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コロナに子どもが感染 どういう症状で受診?脱水と低血糖に注意

  • 2022年12月22日

新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向となる中、子どもの感染も相次いでいます。

年末年始は休みとなる医療機関も多くなりますが、子どもが感染した際、自宅療養で何に注意すればいいのか、どういう症状の場合、受診が必要なのか、小児救急医療が専門の医師に聞きました。

発熱に伴う脱水や低血糖に注意し、子どもの意識の状態にも目を配ってほしいと指摘しています。

新規感染者 増加傾向続く

新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向となる中、10歳未満の子どもの感染も相次いでいます。ツイッターでも子どもの感染に関する投稿が寄せられています。
軽症だったという内容の一方、40度の高熱とか脱水で入院したという投稿も。

翌日37度台の熱。 3日目は平熱。コロナが特別な感じは無かったです。
子供が昨日コロナ感染し、40度の熱を出しました。様子を見ることしか出来ないのは、辛いです。
脱水症状で子供が入院してしまった。

小児救急医が語る注意点 脱水・低血糖に注意

新型コロナウイルスに子どもが感染した場合、どのような点に注意すればいいのか。
東京・世田谷区にある国立成育医療研究センターの小児救急医療が専門の植松悟子医師に聞きました。

まず植松医師は、熱が出ているときは、ふだんよりも水分を失うことから脱水症状になるおそれがあるとして、はき続けない限りは、飲み物を与えてほしいと呼びかけています。

また、食事がとれない場合は、低血糖になるおそれもあるため、水やお茶よりもジュースなどがおすすめだとしています。

国立成育医療研究センター 小児救急医療 植松悟子 医師
「熱がでた場合には、食事量が減少することで、水分の摂取量が減少します。よって、バランスとして水分を失う方が多くなります。とくに、嘔吐がある場合には、水分摂取量が著しく少なくなりますし、下痢を伴う場合には、なおさらです」

「もし、食事がとれないと、糖質が不足します。とくに、お子さんでは糖を貯蔵する能力が低いの低血糖になりやすいのです。このため、糖分の入っているイオン水や、リンゴジュースなどをおすすめしています」

少量をこまめに アイスやゼリーも可!

子どもが思うように飲んでくれないときには、どうすればいいのか。
その際は、少ない量をこまめに与えてほしいと言います。
 

植松悟子 医師
「最初はティースプーンで数分おきに摂ってほしいです。それが大丈夫でしたら、少しずつ量を増やしてください。嘔吐がなければ、少しずつでも飲めていれば、ひどい脱水症は起きにくくなると思います」

それでも口にしてくれなければ、与えるものを変えるなど工夫してほしいと言います。
植松医師のオススメは、アイスクリームやシャーベット、それにゼリーなどです。

体調の悪い子に、そんな冷たいものを与えたらと、びっくりされますが、子どもたちが食べてくれれば、もうわりと何でもいいと思っています。そういうときは、大量に食べられないと思いますので、内容を変えてトライしてもらいたいです。

脱水症状の見極め

では、子どもが脱水症状になっているのかどうか、どう見極めればいいのか。
植松医師に聞いたポイントをまとめました。

植松医師は、おしっこの回数が一日2回以下のときは、脱水症状になっているおそれがあると説明します。

また、目で見て分かりやすいポイントは「口の中の湿り気がない」とか、「唇がカサカサしている」、それに、幼い子どもであれば「泣いたときに、いつもよりよだれの量が少ない」などをあげています。

ただ、水分を摂取していても「おう吐」や「下痢」を繰り返している場合は、水分補給が追いつかず、脱水症状に陥るおそれもあるということです。

このため、こうした状況になった場合は、すぐに医療機関を受診する必要があるといいます。

意識ははっきりしているか?

脱水症状などに注意するとともに、観察してほしいポイントがほかにもあると言います。
それが、子どもの機嫌や顔色、呼吸の様子、さらに「意識がはっきりしているか」、「けいれんを起こしていないか」ということです。

「意識がはっきりしないとき」や「けいれんを起こしている場合」は、低血糖や脱水以外にも急性脳症などの病気が隠れているおそれがあるため、救急車を呼んでもいいと呼びかけています。
新型コロナに感染した子どもの頻度は少ないですが発症例があるということです。

では、意識がしっかりしているのか、どのように確認すれば良いのか。
植松医師によりますと、子どもが起きている場合は、目線が合うか、焦点が定まっているか、いつも通りのコミュニケーションが取れるか、それに幼い子どもであれば、大好きなおもちゃなどに反応しているかがポイントです。

起きているときの確認法
・目線が合うか
・焦点が定まっているか
・いつも通りのコミュニケーション図れるか
・幼い子であれば大好きなものに関心示すか

また、寝ている場合は、まつげを指で軽く触って、目をパチパチとしたり、こすったりするのか、それに足の裏をくすぐって動かすのか確認してほしいといいます。

反応があれば、重い意識障害はない可能性が高く、反応がなければ、夜間でもすぐに医療機関を受診する必要があるということです。

寝ているときの確認法
・まつげを指で触って目をパチパチするか?こするか?
・足の裏をくすぐって動かすか?

ただ42度以上の発熱が続く場合や真緑色のおう吐物が続く場合も、すぐに医療機関を受診する必要があるということです。

そのうえで、最も大切なことは、いつも子どもと接する保護者が、ふだんと違う、おかしいと思ったら医療機関を受診することだといいます。

年末年始 かかりつけ医の対応確認を

多くの医療機関が休みになる年末年始を前に、植松医師は、子どもの感染に備えて、かかりつけのクリニックや病院が、いざというときに対応してくれるか、前もって確認しておく必要があると言います。

また、急な受診が必要なのか、症状を入力して確認できる日本小児科学会の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」などを活用し、対応して欲しいと呼びかけています。

こどもの救急(ONLINE-QQ)(NHKサイトを離れます)

 

植松悟子医師
「普通の免疫力や病気を持っていないお子さんたちは、上記を参考にして頂き、夜間緊急の受診が必要か、日中にかかりつけ医の受診まで待てるのかの参考になれば幸いです。受診後は、おうちで安静にしてください。平時からの準備がいざというときに役立つので備えて欲しいです」

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