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東京都が地下鉄の新路線計画 東京駅~東京ビッグサイト付近に7駅新設

  • 2022年11月25日

鉄道をめぐる新たな動きです。東京都は、都心と人口増加が進む臨海部を結ぶ新たな地下鉄の事業計画案を明らかにしました。
地元では、公共交通機関の混雑緩和を期待する声のほか、完成まで年数がかかることから、地域一帯が将来どうなっているかわからないという声も聞かれました。
このほかにも東京都内やその周辺では、鉄道の延伸など、新たな計画が各地で進められています。

都心と臨海部結ぶ地下鉄の計画

これは、25日、小池知事が定例会見で発表しました。
それによりますと、事業計画案がまとまったのは仮称・「都心部・臨海地域地下鉄」でJR東京駅付近から江東区の東京ビッグサイト付近までのおよそ6キロを結びます。
「東京駅」を起点に、臨海部に向けておよそ1キロごとに、「新銀座駅」、「新築地駅」「勝どき駅」「晴海駅」「豊洲市場駅」、そして「有明・東京ビッグサイト駅」のあわせて7駅の新設が検討されています。

都は、狙いについて、主要ターミナルの東京駅周辺から国際的な商業イベントが行われる東京ビッグサイトまでを直接結んでビジネスマンの利便性を高めることや、高層マンションが建ち並び、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地のマンション群の分譲で、今後も人口増加が見込まれる晴海地区と都心の間の交通網強化などを挙げています。

地元の反応は

駅の新設が検討されている東京・中央区の勝どき駅周辺では公共交通機関の混雑緩和を期待する声のほか、完成まで年数がかかることから、地域一帯が将来どうなっているかわからないという声も聞かれました。

晴海に住んでいる30代女性
「メインの移動手段にバスを使っているが、土日も平日も混んでいてベビーカーだと乗れないこともあって大変です。新しい地下鉄が開業すればすごく便利だと思う。20年後だとすると子どももすでに大きくなっているが、早く開通してほしい」

30年以上住んでいる30代男性
「通勤してくる人も多く、朝は電車自体がものすごく混んでぎゅうぎゅう詰めなので少しでも解消されればいいと思う。これだけの距離なら時間がかかるのはしかたないが選手村跡のマンション群への入居が始まり、さらに人口が増えたらもっと混んでしまうので早めになんとかしてほしい」

駅周辺に住んでいる70代男性
「この周辺はタワーマンションがどんどん増えていて晴海には駅もなく、新しい地下鉄ができるのは晴海の住民にとっては便利になると思うが、勝どき駅を通ってこの駅がこれ以上混むのは嫌だなと思う。まだ先の話でそのころどうなっているかがわからない面もある」と話していました。

東京・中央区は8年前から新しい地下鉄の開業を都に要望してきました。
区は今後、計画されている沿線の街づくりを進めるとともに、利便性を高めるため、起点を現在の東京駅ではなく秋葉原駅にするよう都に働きかけていくとしています。

中央区交通課 落合秀行課長
「臨海部、特に晴海の交通需要はかなり増してきている。地下鉄ができれば住民にとって大きなプラスだ。一刻も早く着手してもらい早期開業に向けて進めていって欲しい」

今後の計画は?羽田空港への接続検討

首都圏の国際競争力をより強化するため、羽田空港への接続を今後、検討するということです。
事業費は概算で4200億円から最大5100億円で、開業後30年以内の黒字化を見込んでいて、都は2040年までの実現を目指しています。

小池知事
「臨海部は、さまざまな開発が進められ、世界から人と投資を呼び込む大いなるポテンシャルを持つエリアだ。この地下鉄は基幹的な交通基盤で言わば『背骨』の役割が期待されるので、早期の事業化に向けてさらに検討を進める」

東京都内の鉄道整備計画 有楽町線延伸

このほかにも東京都内やその周辺では、鉄道の延伸など、新たな計画が各地で進められています。
東京メトロの有楽町線は、江東区の豊洲駅から半蔵門線などが乗り入れる住吉駅までの4.8キロの区間を延ばすことで国の認可を受けていて、2030年代半ばの開業が予定されています。

この区間には、新たに3つの駅が設けられることになっていて、東京都と東京メトロは、それぞれの場所を枝川地区、東陽地区、それに千石地区とする計画の素案を8月1日にまとめました。

多摩都市モノレールの延伸計画

東京都は、多摩都市モノレールについて、現在ある東大和市の上北台駅から瑞穂町まで延伸する計画の素案をまとめ、10月に開かれた住民説明会で7つの駅を新設することなどを明らかにしました。

それによりますと、東大和市と武蔵村山市にまたがる付近に1駅、これと別に武蔵村山市に4駅、瑞穂町に2駅のあわせて7駅を新設する計画です。

このうち、武蔵村山市は、都内の区や市の中では、唯一、鉄道の駅がない自治体で、開業すれば、初の鉄道駅となります。

また、都は、事業費はおよそ1000億円あまりで、開業後30年で採算を確保できる見通しだとしていますが、具体的な開業時期は決まっていないということです。

羽田空港へのアクセス向上 “蒲蒲線”

羽田空港へのアクセス向上が期待される「新空港線(蒲蒲線)」。

東京 大田区は、10月、蒲田周辺にある私鉄の2つの駅を結ぶ新しい鉄道路線、通称「蒲蒲線」の整備に向け、鉄道事業者とともに事業を担う第三セクターを設立しました。

「蒲蒲線」の整備が実現すれば、東京メトロ副都心線などとの相互直通運転を行うことで、渋谷や新宿、それに埼玉県を含めた首都圏北西部の羽田空港へのアクセスが向上すると期待されています。

貨物専用路線「新金線」の旅客化

東京・葛飾区の新小岩と金町の間を結ぶ、およそ7キロのJRの貨物専用の路線「新金線」。

この「新金線」の「旅客化」を図り、地域の利便性を向上させようと、ことし葛飾区や鉄道事業者などによる会議の初会合が開かれました。

区によりますと、葛飾区を南北に結ぶこの路線は、大正15年に建設され、東京の臨海部と千葉方面の間の物資輸送で重要な役割を担ってきたということです。

相鉄も東急に乗り入れ

神奈川県内を運行する相模鉄道は、来年3月に新横浜駅を経由して東急電鉄にもつながりますが、24日ダイヤの概要が発表されたほか、試運転の様子が報道関係者に公開されました。

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