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皆既月食(2022年11月)東京ではいつ?どう見える?天王星食も同時に

  • 2022年11月8日

月全体が徐々に地球の影に覆われる皆既月食が2022年11月8日、天気がよければ全国各地で見られます。東京ではいつ、どの方角に、どのように見えるのか、時間ごとの見え方など詳しくお伝えします。
さらに、今回の皆既月食では、多くの地域で月が地球の影に完全に覆われた「皆既食」中に月の後ろに天王星が入り込む天王星食も同時に見られ、日本では442年ぶりとなる天体ショーとして注目されます。

注目! こちらの記事から動画が見られます。
「2022年11月 皆既月食と天王星食」 次はいつ?

皆既月食とは?

皆既月食は、月が地球の影に徐々に覆われていき、太陽と地球と月が一直線に並び、月全体が地球の影に完全に覆われます。

完全に覆われた状態を「皆既食」と呼び、その間、月が見えなくなるのではなく、太陽光の一部の赤い光が地球の大気でわずかに屈折して月を照らし、赤黒い色に見えるのが特徴です。

東京ではどのように見える?

今回の皆既月食、東京ではどのように見えるのでしょうか?こちらがその図です。

国立天文台によりますと、今回の皆既月食は全国どこでも8日午後6時9分ごろから月が欠け始め、7時16分から8時42分の間、「皆既食」の状態となり、部分的に欠けた状態を経て9時49分ごろ明るい満月に戻るということです。

天王星食も同時に

また、今回の皆既月食では小笠原諸島を除くほとんどの地域で、太陽系の7番目の惑星、天王星が月の後ろに入り込む天王星食が同時に見られます。
こちらは時刻や見え方が地域によって異なります。

西日本から東京周辺にかけては午後8時42分まで続く皆既食の最中、北海道や東北地方では皆既食が終わったあとの部分的に欠けた状態のときに天王星が月の後ろに入る見込みです。

東京で午後8時41分ごろに天王星が月の後ろに入り込み始める見通しです。
月の後ろに姿を消した天王星が再び姿を見せ始める時刻は、東京では午後9時22分ごろの見通しです。

天王星は肉眼で見えるギリギリの明るさですが、皆既月食の間は月が暗く見えるため、望遠鏡などを使えばよく観察できるということです。

皆既食中の惑星食は442年ぶり

国立天文台によりますと、前回、日本で皆既食と惑星食が同時に見られたのは、現在の計算によるといまから442年前、織田信長が活躍した安土桃山時代の天正8年6月15日で、皆既食と土星食が同時に見られたということです。

歴史天文学を研究している国立天文台特別客員研究員の谷川清隆さんなどによりますと、計算の結果と一致する時間帯に月食が起きたことを示す記録が古文書に残されているということです。

徳川家康の家臣、松平家忠が記した「家忠日記」には、天正8年6月15日に「月しよくいぬゐの時かいけん」と読める記述があるということです。

谷川さんは『かいけん』の意味は分からないとしながらも、『いぬい』とは午後7時から11時の時刻を指し、計算からは天正8年6月15日の皆既食は午後7時32分ごろに始まり、午後8時44分ごろに終わったとみられ、「月食」の記述がある時刻と一致するということです。

国立天文台 特別客員研究員 谷川清隆さん
「当時の夜空はいまよりも暗く、土星は肉眼で見える星なので皆既月食と土星食は日本各地で見られたはずだ。珍しい現象なので織田信長や豊臣秀吉など名だたる戦国大名たちも見て驚いたのではないか」

同じような現象が次に日本で見られるのは322年後の2344年と予想され、きわめて珍しい天体ショーとしても注目されています。

国立天文台 山岡均広報室長
「惑星食と皆既食が同時に観測されるのはとても珍しいことで、私たちが生きている間には2度と無いような現象です。今回の皆既月食は見やすい時間帯で長い間続くのも特徴で、皆既月食はこれから3年くらいは日本で見られないので、このチャンスを逃さずに見てもらいたい」

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