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手足口病やRSウイルス感染症が増加 症状や感染状況 注意点は?

  • 2022年8月5日

主に幼い子どもが感染し、手足や口に発疹ができる「手足口病」の患者が増えているとして、東京都は流行の警報を出しました。このほか、主に子どもが感染する「RSウイルス感染症」なども感染が増加しています。感染状況や、どんな症状なのか、注意点をまとめました。

手足口病 感染経路や症状は?

手足口病は手や足、それに口の中などに発疹ができるウイルス性の感染症で、主に5歳以下の子どもが感染し、例年、夏に患者数が多くなります。
軽い熱が出ることもあり、口の中の発疹がひどい場合は食事や水分をとりづらくなります。
通常は3日から1週間ほどで回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすことがあります。

主にウイルスの付着した手を口元にもっていったり、感染者のせきやくしゃみを吸い込んだりすることで感染します。

感染増で東京都が警報

国立感染症研究所や厚生労働省がまとめている「感染症週報」によりますと全国およそ3000の小児科の医療機関で7月24日までの1週間に、「手足口病」と診断されたのは6684人で前の週より897人増えました。
6月下旬以降は毎週1000人前後のペースで増えています。

また、東京都によりますと、7月31日までの1週間に、都内264か所の小児科のある医療機関から報告された患者数は1216人に上りました。

都は、一定数の患者が出た保健所管内の人口の合計の割合が都全体の30%を超えると流行の警報を出すことにしていて、今回46%余りに上ったことから4日、警報を出しました。都が警報を出すのは3年前の2019年7月以来となります。

都は幼い子どもがいる家庭を中心に、こまめに手を洗うなど予防を徹底するよう呼びかけています。

都の担当者
「新型コロナの感染拡大で受診しづらい状況もあるかもしれないが、症状が重い場合はためらわずに受診してほしい」

RSウイルス感染症も増加

「RSウイルス感染症」は発熱やせきなどかぜのような症状が出る病気で、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼすべての子どもが少なくとも1度は感染するとされています。

初めて感染したときは2割から3割が、肺炎や気管支炎を起こすと言われ、特に生後数か月の赤ちゃんでは症状が重くなることがあります。

国立感染症研究所や厚生労働省がまとめている「感染症週報」によりますと、全国およそ3000の小児科の医療機関で7月24日までの1週間に「RSウイルス感染症」と診断された患者は、7170人で、前の週より154人増えました。特に7月以降、急速に増え、6月下旬と比べると4倍近くに増えています。

ヘルパンギーナとは

「ヘルパンギーナ」は1歳から4歳くらいの子どもがかかりやすく、夏に患者が増えるウイルス性の感染症で、38度を超える発熱や、口の奥に水ぶくれができてのどが痛むのが特徴です。

「ヘルパンギーナ」は1682人で前の週より111人増えていて、特に6月以降、増加を続けています。

ヒトメタニューモウイルス感染症とは

また「ヒトメタニューモウイルス感染症」は、発熱やせきなどの症状が出る病気で、「RSウイルス感染症」の症状に似ています。
乳幼児や高齢者がかかると肺炎や気管支炎を引き起こすことがあります。

これらの感染症は、感染している人がせきやくしゃみをした際の飛まつを吸い込んだり、ウイルスが付着したものを触った手で目や鼻、それに口に触れたりすることで感染するため、こまめな手洗いや、みんなで使うおもちゃなどの消毒といった基本的な感染対策が重要です。

脱水症状に注意

一方、新型コロナウイルスの感染急拡大で、小児科の発熱外来もひっ迫しています。
日本小児感染症学会の理事長で、長崎大学の森内浩幸教授は、これまでかぜをひいたときと比べて、子どもの食欲や、機嫌に変化がない場合は、急いで受診する必要はないと指摘しています。

長崎大 森内浩幸教授
「新型コロナと、それ以外の子どもの感染症は、臨床的な特徴が非常に似ているので、症状から区別することは難しいケースが多い。また、新型コロナとそれ以外の感染症に同時に感染していることもあるので、子どもに発熱などの症状が出た場合は、何の病気なのかという点にこだわらず、まずは、子どもの状態をしっかり観察してほしい。

小児科の発熱外来がひっ迫し、診察までに何時間も待つような場合では、診察を待っている間に悪くなるおそれもあるので、自宅で、快適な状態で休ませたほうがいい。医療機関を受診しなくても、年齢に応じて薬局で市販されている解熱鎮痛薬などを買うこともできる。

夏場に感染症にかかると脱水症状になりやすいため、飲食ができずぐったりしていたり、おしっこの出が悪かったりする場合は、必ず医療機関を受診してほしい」

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