いわゆる「気象病」は、正式な病名ではありませんが、雨の日などの気圧や気温が大きく変化するときに、頭痛やめまい、それにけん怠感などの症状が出る状態を指すといいます。
「気象病外来」を設けている都内のクリニックで、症状をやわらげる方法について聞いてきました。その方法を説明した動画も掲載しています。
関東甲信の梅雨入りが6日発表されました。この日、関東の各地では、3月から4月並みの肌寒い1日となりました。
天候が悪くなると頭痛がしたりだるくなったり、急にめまいがしたりする。
天気が悪くなると、息子が「頭が痛くて勉強する気にならない」とよく言っている。
天気が悪いと朝起きづらかったり睡眠がとりにくかったりすることはある。
「気象病外来」を設けている東京・世田谷区のせたがや内科・神経内科クリニックの久手堅 司院長によりますと、「気象病」は、雨の日などの気圧や気温が大きく変化するときに、頭痛やめまい、それにけん怠感などの症状が出る状態を指すといいます。
正式な病名ではありませんが、気圧の変化で自律神経の乱れがさまざまな症状を引き起こしていると考えられるということです。
6年前にクリニックの「気象病外来」を設けて以降、患者は20代から40代の女性が多いということです。症状は、頭痛が8割を占め、次いで全身の倦怠感やめまい、それに気分の落ち込みなど多岐にわたるということです。
職場や自宅で気軽にできる、症状をやわらげる方法を3つ教えてもらいました。
〇耳マッサージ
頭痛などの症状が続いたりする場合は、耳をひっぱったり指でつまんで回したりしてマッサージします。
・耳を押して20~30秒ほど
・耳だけでなく首・肩まわりも楽に
・耳を持ち痛くない程度に前後にまわす
・耳まわりの血流がよくなる
〇顔マッサージ
頭痛の症状では、このほか、こめかみやあごをもむことで症状を和らげることができるということです。
・こめかみを軽く押す 動かす
・ほお骨の下を軽く押す 動かす
・顔全体のマッサージで緩むと楽になる
〇タオルマッサージ
タオルを首にかけて両端を持ち、斜め上や、斜め下に向けて引っ張ったり、首を後ろに反らす姿勢を20秒ほど続けるなど、首まわりのストレッチが効果があるということです。
・タオルを耳の下にあて軽く引っ張る
・斜め上にあげ首が引っ張られた状態に
・そのまま後ろに首を倒して20秒数える
・戻して斜め下にタオルで引っ張る
・首はマッサージしにくいがタオルだと痛めることはない
久手堅院長は「気象病」の可能性があるかどうかの判断のポイントをあげています。1つでも該当すると可能性があるということです。
「気象病」判断のポイント
・天候が変わるときに体や心に不調が起きているか。
・体調の変化を感じ、この先の悪天候を予測できてしまうか。
「気象病」の対策としては、天気予報をこまめに確認し、天候が悪くなる場合は、睡眠時間を十分とること、また、症状がひどい場合には外来で漢方薬などを処方してもらうことが有効だということです。
「せたがや内科・神経内科クリニック」久手堅 司 院長
「もともと、梅雨の時期は『気象病』を訴える患者が増えるが、特に去年やことしは、新型コロナの拡大によるリモートワークや、外出の自粛などで生活習慣が変わり、気象病をきっかけに体調を崩す人も増えていると感じている。気圧や気温の変化で体調を崩すことがあると知り、家でストレッチや軽い運動をするなど、体調管理に気をつけてほしい」