プロ・ナチュラリスト佐々木洋さんが案内する自然観察散歩。
今回は、大河ドラマ「光る君へ」にちなんで、横浜市にある「こどもの国」で春の七草探しに挑戦!佐々木洋流!一味違った野草観察法をぜひ参考にしてみては。
訪ねたのは、神奈川県横浜市にある「こどもの国」。
多摩丘陵の東に位置する「こどもの国」は、敷地面積が約100万平方メートル!
雑木林(ぞうきばやし)の自然をベースに、桜や梅、椿などが植えられていて、四季の移ろいを楽しみながら、たくさんの植物や生き物に出会うことができる。
【春の七草さがし】
スズナはかぶ、スズシロは大根。野菜だから自生していない。ホトケノザも珍しい植物で公園などで見つけるのは難しい。今回はセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラの4種類を探しましょう!
セリは水けのある場所に群生して生える。山間地にある田んぼの畦道や小川などを探すと良い。
独特の香りが特徴。「競り合うように生える」ということでセリという名前が付いたとも言われている。
ナズナは通称「ぺんぺん草」。実の部分が逆三角形で三味線のバチに似ていることから名付けられたと言われている。ナズナは初春に芽を出した様子を愛でる気持ちから「撫でる菜」が語源という説も。
ハコベラは正式にはハコベ。ナデシコ科の1年草で道端や畑など、あらゆる場所で育つことができる、繁殖力の高い植物。
佐々木洋のネイチャークイズ
問題.ハコベラ(ハコベ)の花びらは何枚?
正解は5枚。よく見ると、2枚ずつがセットになって花びらの根本が繋がっている!
だからハコベラ(ハコベ)の花びらは5枚!
ゴギョウは別名「ハハコグサ(母子草)」。葉全体が綿毛で覆われていて白っぽく見えるのが特徴。
平安時代は、このゴギョウ(ハハコグサ)を使って草餅を作っていたと言われている。ヨモギを使うようになったのは江戸時代以降。餅を作る工程で、“母子”を一緒につぶすのは演技が悪いという考えが広まったためと考えられている。
ゴギョウを使ったいわば元祖・草餅とヨモギを使った現代の草餅を食べ比べてみましょう!
!野草を採取する際の注意点!
●立ち入り禁止区域や採取禁止区域では取らない
●たくさんあるものを採る
●自分が知っているものだけ、食べられる分だけを取る
●根を食べるもの以外は根を残す
正しい知識と常識を守るようにしましょう。山菜や野草は素晴らしい大地の恵みですが、天然、自然のものが何でも食べて安全なわけではありません。植物の中には、動物や昆虫に食べられないように、有毒な成分を自ら作るものがあります。分からないものは取らない・食べないが鉄則です!
<教えていただいた方>
<材料>(各3個分)
・ヨモギ(生) … 40g
・ゴギョウ(生) … 40g
※それぞれ可食量で40g
・塩 … ひとつまみ
・白玉粉 … 50g
・上新粉 … 50g
・ぬるま湯 … 80ml
・上白糖 … 15g
・片栗粉 … 適量
・粒あん … 120g
・きな粉 … 適宜
【準備】
・ゴギョウとヨモギは水を替えて何度か洗う。やわらかい葉を摘んで固い茎は取り除く。
・粒あんは20gずつ丸めておく。
<つくり方>
1.ボウルに白玉粉と上新粉、上白糖を入れ、ぬるま湯を少量ずつ加えながら生地がなめらかになるまで混ぜる。
2.(1)の生地を半分にし、薄くのばしたらクッキングシートを敷いた蒸し器で20分ほど蒸す。
【蒸している間にゴギョウ(ハハコグサ)をゆでる】
3.湯を沸かして塩を入れ、ゴギョウを1分程度ゆでる。
4.冷水に取り、さっとさらしたら水けを切る。
※香りが飛んでしまうため長くさらさない。
5.包丁で繊維を断つように細かく切ったら、すり鉢でする。
※フードプロセッサーなどで代用可。
6.蒸しあがった生地の半分をすり鉢に入れ、ゴギョウのペーストを加えて、すりこ木で生地をつき混ぜ合わせる。
7.手に水を付けたら棒状に成形し、片栗粉をひいたバットに生地を取り出す。
8.生地を3等分に切り分け、広げて粒あんを包む。
9.盛り付け皿に餅を並べ、上から茶こしを使って、きな粉をふりかけて完成!
※(3)以降はヨモギ(生)も同じように作る。
●こどもの国
場所:神奈川県横浜市青葉区奈良町700
【開園時間】
午前9時30分~午後4時30分(入園は午後3時30分まで)
※7~8月は午後5時まで開園(入園は午後4時まで)
【休園日】
毎週水曜日(水曜が祝日の場合開園)
12月31日~1月1日