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あなたのそばに ~さいたま局・季節移動天カメの裏側とは~

  • 2023年6月7日

NHKの取り組みをお伝えする「あなたのそばに」のコーナー。
今回は、お天気カメラの裏側をご紹介します。埼玉県秩父市にある羊山公園の芝桜。このようなきれいな花々をご覧いただくために、日本各地に季節ごとに設置しているのが、「お天気カメラ」なんです。美しい映像はもちろん、災害発生時に各地の様子をリアルタイムで伝えるのが主な役割です。
NHKさいたま局のお天気カメラは、1台のカメラが県内を回り、年間で8か所の旬の映像をお届けしています。実は、この数が自慢!なんです…
どのようにしてお天気カメラが設置されているのか!?舞台裏をご紹介します。

芝桜の様子

お天気カメラの映像

撤収作業に密着!技術担当者の知られざる奮闘とは

梅の花お天気カメラ

さいたま長瀞町、宝登山。1月から3か月間ロウバイや梅の映像を皆さんにお届けしました。

NHKさいたま放送局で、去年からお天気カメラを担当している安田一成職員。
悪路を進みながら、宝登山にお天気カメラを撤収しにやってきました。その様子を見てみましょう。

★カメラとベース基地をケーブルでつなぎます

★急な斜面にケーブルを通すのも一苦労

カメラが置かれているのは、梅の花が最もよく見渡せる場所。しかし、映像を放送局に届けるベース基地は、遠く離れた場所にしか置けません。この間をつなぐ250メートルのケーブルを、手作業で巻き取っていく必要があります。観光客が通る道は、ケーブルを地中に埋め込んだり、上空を通したり、邪魔にならないようにしています。

安田さん

お花がきれいに映る絶対的なカメラポジションがあるんです!
そこを重視するとケーブルが長くなってしまい、巻き取ると6キロぐらいの重さになり、とても重たいです。でも妥協したくはないんです。圧倒的に美しい映像を見ると苦労したかいがあるし、もっと頑張るぞ!と思います。

働き者のさいたま局お天気カメラ
~その歴史はひとりの技術者の情熱から~

U-4SP

さいたま局のお天気カメラ、U4SP(ユーフォーエスピー)です。各地の旬な映像を、365日黙々と映している働き者です。11年間ほぼ休みなく働いています。

移動式お天気カメラをさいたま局で始めたのは、三好唯之(みよし・ただし)職員。現在は、音楽番組を担当し、おととしの紅白歌合戦の技術責任者を務めました。三好職員が22年前、さいたま局に異動してきた際、お天気カメラを埼玉の魅力発信に活用できるのではと考え始めました。

三好さん

休日にガイドブック片手に県内のいろいろな所を回りました。この季節はこんな花が咲くとか、この季節になったら、こういう景色が綺麗だとか…

お天気カメラを置くと、そこに移ろいが感じられて、「今日の様子は、こうなんだ。こないだ見た時より花が咲いてるんだ」と皆さんに感じてもらえるかなと思ったんです。

 

ある結婚式場の敷地に、「カメラを置かせてもらえないか?」と交渉しに行きました。「この式場の名前は出ますか?」と聞かれ、「難しいです」と伝えたら、「ここの地名は出ますか?」と。「もちろん地名は出ます」と言ったら「地名が全国に発信されるのだったらカメラを置いてください!」と喜んでくれました。

地域の情報が視聴者の皆さんに伝わることを好意的に思ってくださり、お天気カメラの仕事にやりがいを強く感じました。

現担当者へ受け継がれたバトン ほんの一瞬の映像を届けるために

芝桜の様子

カメラ設置の様子

秩父市の羊山公園。4月中旬から5月初旬に、芝桜が花を咲かせます。観光客と同じ目線、かつ極力邪魔にならない場所にカメラを設置。今年は、去年より20センチほど位置をずらして、花にカメラを近づけました。最後に、レンズについた雨粒や汚れを落とすウォッシャーの動作を確認したら準備完了!

★タイムラプスで設置の様子をご覧ください★

 

去年より、ほんのちょっとだけお花にカメラを寄せました。ほんのちょっとだから変わらないよ~と思うかもしれませんが、少しの差で大きく変わるんです。美しい映像を届けたい。それが花のお世話をしている方たちの苦労に報いるというか…それが放送に出てくれると嬉しいですね。

お天気カメラ~ 視聴者のみなさんの反応は!?

天カメ実際の映像

この芝桜のお天気カメラからの映像は、朝のニュースや「ひるまえほっと」の番組内で、流れました。お天気カメラの映像は長くても20秒程度ですが、どのように受け止められているのか…
SNSを見てみると「羊山公園の芝桜だ」「朝からテンション上がる」など、嬉しい反応ありました。

★お天気カメラを喜んでくださる高齢者介護施設のみなさん

さらに、思わぬところで、このお天気カメラの映像を喜んでくれている人たちがいました。
秩父市内の高齢者施設のみなさんです。芝桜からほど近い場所にあるにも関わらず、ここ数年は見に行くことはコロナ禍で難しかったそうです。

施設の高齢者の方たちからは、「足が悪いからテレビで観るしかないけれど、きれいだった」とか、「羊山のすぐ下に住んでいたから、よく登りました。映像を見て懐かしかったし、自分の若い時を思い出します」など素敵な感想を頂きました。

今年で、テレビ70年を迎えましたが、最後のところは昔と変わらず人が支えています。お天気カメラは、花鳥風月を届ける以外にも、災害時に現場の状況を伝える大切な役割を担っていますが、こうした技術担当の努力がお天気カメラを支えています。

さいたま放送局のお天気カメラは、6月に上尾の花しょうぶ、7月に行田のハスと忙しく埼玉県内を回っていきますのでお楽しみに!

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