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あなたの声、大丈夫ですか?

  • 2022年12月19日

「声が出しづらい」「声がかれる」「高い声が出せない」
最近、声の不調を訴える人が多くなっています。
コロナ禍で話す機会が減り、声を出す筋肉を使う機会が減ったことが原因のひとつだとされています。東京都内の病院では、受診する人がコロナ禍の前と比べておよそ3割増えました。
そんな中、いま注目が集まっているのが、声の筋肉を鍛える取り組みです。全国各地で声を鍛えるイベントも開催されています。

取材したのは、「100万人の声磨きフェスティバル2022(東京会場)」。
疲れない枯れない声をつくるための正しい呼吸法、発声法、表情筋ストレッチ、滑舌トレーニングなど、のどを鍛える「健康声磨き」を全員で体験しました。

<体験した人たちの話>

「コーラスをやっていたんですけど、コロナの中で声を出すことがなくなったのね。それで何となく心配していました。トレーニングが楽しいし、友達も一緒だったのでよかったです」

「コロナであまり人と会わなくなったので、本当に声が出なくなったんですね。かすれちゃって。トレーニングがすごく楽しいです。少しでも声が戻ればと思って、毎日続けようと思っています」

「トレーニングのおかげで、声を出すのが滑らかになってきた。引っ込み思案っていうのが、全然なくなりました」

(一社)日本声磨き普及協会 代表理事 佐藤恵さん

「声は自分を表現するものであり、アイデンティティーであり、その声がかすれてきたり出づらくなってくると寂しい気持ちになられたり、「えっ?」と聞き返されることで、自分を否定されるような気持ちになる。そういうことをおっしゃるシニアがとても多いです。だからやはり声は重要だと改めて思っています。
ますます声の力で日本を元気にしていこうというこのムーブメントをもっともっと広げていきたいと思います。声磨き一緒にやりませんか?」


ここからは、
長年、声やのどの研究を積み重ねてきた専門家に、
声を出す筋肉、いわゆる“声筋”を簡単に鍛える方法を教えていただきます。

教えてくださるのは、国際医療福祉大学医学部教授で東京ボイスセンター長の渡邊雄介さん。

渡邊さん
「コロナ前は声の出しすぎでのどを痛めて受診する人がほとんどでしたが、コロナ禍以降は声を出さないことで声帯が委縮してしまったり、声の出し方がわからなくなってしまったりして、病院を訪れる人が増えています」

★そもそも“声筋”とは?

渡邊さんが作った造語で、声帯にくっついている筋肉の総称。
右に5個、左に5個、全部で10個あります。この筋肉を開いたり閉じたりすることで、高い声や低い声を出すことができます。声を出すだけでなく、ごはんを食べたり、呼吸をしたり、体に力を入れたりするのにも関わる筋肉です。

★“声筋”が衰えるとどのような影響が?

「いい声が出なくなる」以外にも、さまざまな影響があるんです。

お産や便秘のとき、声を出していきむことで力が出ます。
ゴルフの飛距離が落ちたり、ペットボトルのふたが開けられなくなったり、つまずいてこけたりするといった不調も現れるそうです。

★声筋の状態をチェックしてみよう!

病院でも行われている医療的な検査です。

①ロングトーン

大きく息を吸って、「あー」とひと息で何秒間声を出し続けられるか?
※ポイント:高すぎず低すぎず、楽に出せる大きさで!
成人男性:25秒間以上 成人女性:20秒間以上
(15秒以下は不調/10秒以下は危険だと考えられるので、病院の受診をおすすめします)

②飲み込み力

100mlの水を飲み干すのに何秒間かかるか?
※ポイント:急ぎすぎて、むせ込まないように注意!
成人男性女性:10秒間以下
(10秒以上かかったら、嚥下・飲み込む力に問題あり/むせ込むと大変問題あり)

★声筋を鍛えよう!

4つを行うことで、発声、呼吸、飲み込む力などの機能を総合的に鍛えることができます。声筋のテストの結果で声筋に不安のある人はもちろん、いまは健康という人も、いつまでも会話を楽しんで、おいしく食べられるように、トレーニングしていきましょう!

1【ハミ活】…“声筋”のストレッチ!!

自分が好きな歌をハミングで歌う。
鼻歌のように口を閉じて「ん~んん~ん~♪」とハミングする。
※ポイント:頬や鼻にビリビリと振動していれば鼻腔で共鳴している証拠。

2【にゃーお発声法】…“声筋”をリラックス!!
猫のように力を抜いて声を出し、のどの緊張をほぐしてニュートラルな状態に戻す。

①口を縦に大きく開けて舌を下げ、あくびをするときのように息を吸い込む。
全身の力を抜いて。
②猫のように「ニャーオ」とため息まじりの声を出す。抑揚をつけて、5~10回繰り返す。
※ポイント:恥ずかしがらず、思い切り口を開けて「鳴く」。

3【の↑の↓発声】…“声筋”全体をやさしく鍛える!!
鼻腔と口腔に響かせやすいのが「の」の発声。

①ストローを吸うときのように唇をすぼめる。(口腔内が逆メガフォン形になるように)
②「のー」を低音から高音へ発声(鼻に抜けるように)、途切れずに「のー」を高音から低音へ発声。10回繰り返す。
※ポイント:発声している時間を延ばす必要はない!
低音→高音→低音の間、途切れないことが大切!
(特に地声と裏声の転換点は意識を)

4【お風呂で童謡】…“声筋”のコンディションチェック!!

お風呂は湿度が十分あり、暖かいので声が出やすい環境です。反響するので気持ちよく歌えて、ストレス発散にもなります。童謡のメロディは比較的幅広い音域で作られていて、高い声と低い声をバランスよく使えます。1分以内で長さがちょうどいいのも特徴です。
※ポイント:毎日同じ(歌詞を覚えている)曲を歌う!
声のコンディションチェックするため!日々の声の変化を感じることができる。

 

渡邊さんからひと言!
声筋は絶対に裏切らない!
1日あわせて10分以内でできるので、まずは始めてみましょう!
“Good voice , Good life!” よい声でよい人生を送ってください!

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