JR東日本の各線では、3月16日、一斉にダイヤ改正が行われました。
このうち京葉線では、朝夕のラッシュ時の通勤快速のほか、朝と夕方以降の快速が、早朝の上り2本を除いて各駅停車に変更されました。
地域の人たちの生活に大きな影響を与えるダイヤ改正。利用者の声を聞きました。
(千葉放送局記者・浅井優奈、渡辺佑捺)
今回のダイヤ改正では、通勤快速(朝夕ラッシュ時に4本運行)と、朝9時台までと夕方4時台以降の快速が、早朝の上りの快速2本を除いて各駅停車に変更されました。
結果的に平日の快速は上下線あわせて59本→26本に、土曜・休日の快速は89本→49本に大きく減りました。
改正によって、蘇我駅→東京駅間の朝のラッシュ時の所要時間は、通勤快速→各駅停車で14分ほど、快速→各駅停車で6分ほど長くなりました。
千葉市緑区にあるJR外房線の土気駅。京葉線に直通する電車を利用して、多くの住民が都内に通勤しています。
京葉線を利用し、土気駅から都内の職場に通勤している藤原さん(仮名)です。夫と、小学2年生の長女、こども園に通う長男の4人家族です。
NHKでは、ダイヤ改正前の1月、藤原さんの朝の様子を取材させてもらいました。毎朝7時に長女を登校させて、出発。
長男をこども園に預け…。
走って駅へ向かいます。
7時20分に土気駅から京葉線に直通する通勤快速に乗り、八丁堀駅近くの職場に向かい、8時半の始業に間に合わせていました。
我が家にとって、ダイヤ改正は日々の生活を根本から考えないといけない問題になっています。今後については夫と相談しながら、働き方を調整していかなければいけないと思っています。
(1月の取材時のインタビュー)
3月18日、ダイヤ改正後、初めての平日に再び取材しました。
通勤快速がなくなったため、以前より14分早い、7時6分発の電車に乗ることになった藤原さん。長女の登校時間の7時より前に家を出る必要があります。
午前6時台に長女を家の外に出して待たせることはできません。そこで、心配した隣の友人が、登校時間まで預かってくれることになりました。
そして、長男を連れてこども園に出発。7時の開園と同時に預けて、駅まで急ぎます。
7時6分の総武線直通の電車に間に合いました。以前はなかった乗り換えも発生し、通勤時間は11分長くなりました。
藤原さんの周りでは、ダイヤ改正によって保育園の送迎の時間が間に合わないため、働き方を変える必要がある人もいるそうです。
ダイヤ改正で、日々の生活への影響がここまで大きくなってしまうんだと改めて実感しました。
子どもを見送って、それから自分が出勤するという、これまで普通にできていたことができなくなってしまうのが残念ですし、毎日のことなので友人に迷惑をかけるのは心苦しいです。
ぜひ利用者の声を聞いて、みんなが利用しやすいようなダイヤにしていただけるよう期待しています。
1月に取材した当時の記事はこちら👇
ダイヤ改正の影響について、京葉線・千葉みなと駅で利用者に話を聞きました。
東京方面に通勤している方が多いので、快速でいち早く出勤できた方が楽だし、移住してくる人たちにとっても、東京は近いほうがいいんじゃないかなと思います。
家族が東京までの通勤で利用しているので、不便だなと思います。
マンションに住んでいますが、例えば売却する時、快速がない不便さというのは影響するような気がするし、利便性を考えて買われた方も多いと思います。
ダイヤ改正後、初の平日は特に混乱があったわけではありませんが、時間を確認しながら駅に急ぐ人の姿が見られました。
また、運行が継続された早朝の上りの快速2本ですが、そのあとの電車と比べると混雑していて、ニーズの高さも感じました。
影響を受けるのは、千葉の住民だけではありません。
ダイヤ改正初日の3月16日土曜日、幕張メッセなどではさまざまなイベントが開かれ、最寄りの海浜幕張駅には、東京方面などから多くの人たちが訪れました。
利用者からは、「時間がかかると感じた」とする声が聞かれました。
各駅停車は乗車時間がすごく長いと感じましたし、これからは早め早めに行動しなくてはいけないと思います。
事前に調べると、「東京駅から快速で30分」と書いてありましたが、いざ乗ったら各駅停車でした。一駅ずつ止まるので意外と時間がかかると感じました。
千葉市はこうした影響も懸念していて、「イベントの開催地として、幕張メッセなどの競争力の低下につながるのではないか」として、ダイヤの再検討を求める理由の1つに挙げています。
JR東日本千葉支社は、「年に一度のダイヤ改正にとらわれず、運行のあり方を柔軟に検討していきたい」としていて、今後、地元の意見も聴きながら見直していく考えを示しています。
また、千葉市は、地元の経済団体などとともに、ダイヤ改正の影響について尋ねるアンケート調査を3月23日から始めることにしています。
この結果も踏まえて、JRとの協議を進めていきたいとしています。
「首都圏ネットワーク」での放送内容は、「NHKプラス」で3月25日(月) 午後6時10分までご覧いただけます。