ことし9月の大雨で、線路下の土砂が流されるなど大きな被害があった、千葉県大多喜町といすみ市を結ぶ「いすみ鉄道」。当時の被害のようすはこちらの記事から確認できます。
復旧作業が進められていましたが、12月25日におよそ3か月半ぶりに全線での運転が再開されました。再開当日のようすを取材しました。
(千葉放送局記者・渡辺佑捺)
大多喜町といすみ市を結ぶいすみ鉄道は、ことし9月8日の大雨で線路下の敷石や枕木が流されるなどして、大きな被害が出ました。この大雨被害で、一時は大多喜町の上総中野駅からいすみ市の大原駅までの全線で運転できなくなっていました。
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大雨被害のあった5日後の9月13日には、復旧作業が進んだ大多喜駅と大原駅の間で運転が再開されました。大多喜駅ではその日、列車を利用して近くの高校に通う高校生らの姿が見られ、日常が戻りつつあることを感じさせました。
しかし、被害の大きかった上総中野駅と大多喜駅の区間は運転できない状況が続いていて、バスによる代替輸送が行われていました。
クリスマスを迎えた12月25日、この区間でおよそ3か月半ぶりに運転が再開。大多喜駅には、再開を知らせる掲示がありました。
朝、上総中野方面から列車が入ってきました。
大多喜駅で下車した乗客に話を聞きました。
週に1、2回、買い物で利用しています。いままで代行バスだったので大変でした。頑張って開通してくれてありがたいです。
きのう防災無線で運転再開を聞いて乗ってきました。乗っている人は思ったより少なかったけど、ないと不便。頑張って運行を継続してもらいたいです。
また、線路下の土砂が流される被害が特に大きかった上総中野駅と西畑駅の間の現場近くでは、いすみ鉄道の社員や工事関係者らおよそ20人が集まり、全線の運転再開を祝うセレモニーが行われました。
セレモニーではいすみ鉄道の古竹孝一社長から、復旧工事を担った業者や代行バスの運行業者などに感謝状が手渡されました。
そして、被災していた線路を列車が無事に通るようすを見守りました。
社員の誰もが今まで経験したことのない災害でしたが、地域の人からの『頑張って』という声が励みになりました。年内に復旧できてよかったです。これからはさらに地元が元気になるようなアイデアや企画を出して、いすみ鉄道の存在価値を求めていきたいと思います。