千葉県警察本部の本部長に8月28日付けで宮沢忠孝氏(55歳)が新たに就任しました。就任会見では「特殊詐欺や交通事故といった日々発生している事案のほか、災害対策などにもしっかり対処し、県民の安全安心を確保したい」と抱負を述べました。宮沢氏は千葉市出身。初めての地元勤務にかける思いや人柄を詳しくお伝えします。
千葉市出身 55歳
〈主な経歴〉
1991年 警察庁採用
2005年 警視庁教養課長
2006年 警察庁外事課理事官
2015年1月 警察庁国際テロリズム対策課長
2015年12月 警察庁公安課長
2017年 和歌山県警察本部長
2019年 沖縄県警察本部長
2021年 警視庁公安部長
2022年 警察庁外事情報部長
警察の仕事は県民生活に直接関わるもので、それぞれについて必要な対策をしっかり取りたいと考えています。具体的には、特殊詐欺、サイバー犯罪を始めとする各種犯罪や交通事故といった日々発生する事案の対処をしっかりすること。それと同時に、災害対策、組織犯罪対策、経済安全保障の確保といった万一の備えや全国的な課題にも対処し、全体として、県民と社会の安全安心を確保したいと考えています。その前提として、すべての警察職員が熱意をもって相互に連帯して生き生きと、のびのびと仕事に取り組める組織・職場作りを目指したいです。
千葉県は私の出身地です。小学6年から大学卒業までのおよそ10年間、千葉市に住んでいました。小学6年の修学旅行で牧場にいって牛の乳搾りをしたことをはっきり覚えています。千葉県で働けるのは大変喜ばしく光栄なことで、千葉県のために力を尽くすことが私の運命であり、天命であり、使命であると思っています。千葉県の印象としては、ベッドタウンや工業地域がある一方で、里山や海といった美しい自然にも恵まれたすばらしい土地であると思っています。ただ、中学からは東京の学校に通っていたので、実は千葉県の土地や人についてよく分からない点もあります。この機会に多くの人と出会い、さまざまな土地を訪れたいと思っています。
千葉県警の印象は、人口や犯罪の発生、110番受理件数などを考えると、職員1人1人の負担が大変重い。そうした中で、さまざまな事案にしっかり対処していると思っています。私も本部長としての務めをしっかりと果たしたいと思います。
2015年(平成27年)1月に私は警察庁の国際テロリズム対策課長に着任しました。ちょうどそのとき、シリアで、いわゆる「イスラム国」が日本人2人を人質にして日本政府に対して多額の身代金を要求する事案が発生しました。担当課長として2人の救出に向けて国内外の関係機関と努力したわけですが、結果として2人は殺害されてしまいました。同じ日本人として大きな悲しみを感じるとともに、テロ防止への決意を強くしました。
「勇気」です。困難な状況や逆境に直面したとき、おじけづいたり、逃げ出したりしたくなります。そうした気持ちを抑えながら、困難や逆境に立ち向かいたいと常に思っています。
私は運動神経はよくありませんが、体を動かすことは好きです。いまはテニスとロードバイクに取り組んでいるので、この2つを続けていきたい。2年ぶりの単身赴任となるので、料理のレパートリーを増やすとともに、料理の質の向上を目指したいと思っています。