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千葉県内の花火大会 2023年の開催は 手賀沼花火大会は4年ぶり!

  • 2023年07月14日

夏は花火のシーズンですね!

新型コロナの影響で中止が続いていた花火大会も、今年は4年ぶりの開催に向けて準備が進んでいます。一方で、ブランクのため設備更新の必要があったり、人件費の高騰の影響があったりして、各地で資金難が課題に。クラウドファンディングで資金を集めた大会もあれば、開催を断念したところもあります。

千葉県内の主な花火大会の開催状況をまとめました。

(千葉放送局記者・間瀬有麻奈、渡辺佑捺、金子ひとみ)

2023年夏、開催される花火大会は

(画像提供:柏市)

県内で今年開催される主な花火大会の一覧です。4年前とおおむね同じ規模で開催するところが多くなりました。

開催日が悪天候だった場合、予備日を設定しているところもあります。残念ながら中止となった大会は、記事の後半で紹介します。

幕張ビーチ花火フェスタ2023(第45回千葉市民花火大会)

去年は規模を縮小しての開催でしたが、4年ぶりに以前と同じ規模で開催されます。

●開催日:8月5日(土)
●会場:幕張海浜公園・幕張メッセ駐車場
●打ち上げ数:2万発
●来場見込み:約7万人

銚子みなとまつり花火大会

4年ぶりに以前より花火の数を増やして開催されます

●開催日:8月5日(土)
●会場:河岸公園周辺、利根川河畔
●打ち上げ数:1万発
●来場見込み:約6万5000人

第39回市川市民納涼花火大会

4年ぶりに以前と同じ規模で開催されます。

●開催日:8月5日(土)
●会場:江戸川河川敷
●打ち上げ数:1万4000発
●来場見込み:約49万人(市内のどこからでも見ることができる想定)

市制施行80周年・千葉県誕生150周年記念 松戸花火大会イン2023

去年は規模を縮小しての開催でしたが、80周年・150周年を記念して以前より規模を拡大して開催されます。

●開催日:8月5日(土)
●会場:古ケ崎河川敷スポーツ広場
●打ち上げ数:2万5000発
●来場見込み:約21万人

第62回佐倉市民花火大会(佐倉花火フェスタ2023)

去年は会場を分散させての開催でしたが、4年ぶりに以前と同じ規模で開催されます。

●開催日:8月5日(土)
●会場:佐倉ふるさと広場周辺
●打ち上げ数:1万8000発
●来場見込み:約17万人

手賀沼花火大会2023

4年ぶりに以前と同じ規模で開催されます。特別に巨大な花火も打ち上げられます。

●開催日:8月5日(土)
●会場:手賀沼自然ふれあい緑道上(柏市)、手賀沼公園・手賀沼ふれあいライン(我孫子市)
●打ち上げ数:1万3500発
●来場見込み:約40万人

第59回館山観光まつり館山湾花火大会

去年は規模を縮小しての開催でしたが、それより規模を拡大して開催されます。

●開催日:8月8日(火)
●会場:汐入川河口導流堤・館山湾
●打ち上げ数:非公表
●来場見込み:非公表

第30回野田市関宿まつり花火大会

4年ぶりに以前とほぼ同じ規模で開催されます。以前にはなかった大きな花火も打ち上げられます。

●開催日:8月26日(土)
●会場:関宿ふれあい広場
●打ち上げ数:6000発
●来場見込み:6万人程度

クラウドファンディングで“復活”

手賀沼花火大会の様子
(画像提供:柏市)

8月5日に4年ぶりに開催予定の「手賀沼花火大会2023」。柏市がふるさと納税を活用したクラウドファンディングで運営資金を募ったところ、想定を大幅に上回る寄付金が集まりました。

クラウドファンディングのWEBサイト

集まったのは900万円以上。実に、目標額の150万円の6倍以上が寄せられました。

柏市商工振興課
清水直紀さん

900万円を超えるとは全く想定していませんでした。300万くらいで落ち着くのかなと思ってたのですが…。想像以上に皆さまからの注目が高かったです。

なぜクラファン?“4年ぶり”の壁が

柏市がクラウドファンディングを行った背景には、“4年間のブランク”によって、従来を大幅に上回る資金が必要になったことがあります。

開催に向けて、見物客を誘導する案内板を保管している倉庫に見に行ったところ…。

4年前まで使われていた木製の案内板

4年間使われていなかった木製の案内板は劣化が激しく、作り直す必要がありました。

劣化しにくいアルミ製のものを発注することにしましたが、物価高によって単価がかなり上がっています。

アルミ製の案内板

資金が必要だったのは案内板だけではありません。警備費用も4年前より大幅にかかることが分かりました。

現地で警備について打ち合わせる市職員

この4年間で会場の近くにある「道の駅」が拡張されるなど、周辺の交通量が増加。久しぶりの花火大会で人出も増えることが予想され、警備員の数を増やすことも必要でした。さらに、人件費の高騰も重なりました。

こうしたことで、前回4年前と比べて追加で必要になった資金は500万円。これを少しでも賄おうと、クラウドファンディングを始めたといいます。

柏市商工振興課
清水直紀さん

実は4年前にも、運営資金を集めるためクラウドファンディングを行いましたが、60万円ほどしか集まりませんでした。今回は4年ぶりであることや物価高の影響もあって運営資金が特に厳しかったので、助かりました。

手賀沼花火大会の様子
(画像提供:柏市)

なぜ資金が集まった?

想定を大きく上回った寄付。柏市は「クラウドファンディングで、使いみちを『花火大会』に限定したため、寄付しやすかったのではないか」と分析しています。

「ふるさと納税」の活用もプラスに働いたとみられます。寄付した人の約8割は、返礼品を受け取ることができる市外の居住者でした。

柏市の「ふるさと納税」返礼品の例

一方で、返礼品を受け取れない地元の住民の寄付も少なくなく、4年ぶりの花火大会への期待が感じられたということです。

寄付をした人たちからは、さまざまな応援メッセージが寄せられました。

子どものころから毎年見ていたので楽しみです。

コロナ禍で生まれた子どもたちに、初めての花火大会を見せたいです。

柏を離れたいまでも、毎年開催を心待ちにしていました。開催が決まったときには鳥肌が立ちました。

寄せられた応援メッセージ
柏市商工振興課
清水直紀さん

多くの寄付をいただいて本当にありがたいです。資金に余裕が出たことでプログラムを刷新し、「ウルトラジャンボスターマイン」という巨大花火を打ち上げ、音楽と花火を融合させた演出を取り入れるなどして感謝の気持ちを伝えたいと思います。

開催断念の花火大会も

(画像提供:御宿町観光協会)

一方で、開催を見送った花火大会もあります。中止となった理由には、資金面での問題や、会場の都合などがあるということです。

岩井海岸花火大会

地元の観光協会が寄付金を集めて開催していましたが、4年前の台風による被害と新型コロナの感染拡大の影響で地域経済が疲弊し、資金が十分に集まらないと判断したということです。

鴨川市納涼花火鴨川大会

2020年からは規模を縮小しながらも開催してきましたが、ことしは会場の駐車場が足りず、渋滞や迷惑駐車が懸念されることや、警備体制も十分に取れないことから、主催する観光協会などが中止を決めたということです。

かまがやの花火

去年は例年通りの規模で開催しましたが、想定を上回る来場者があり、会場を変更する必要が出たということです。別会場での開催を模索したものの、地元との調整が難航し、ことしは開催しないことに決めました。

おんじゅく花火大会

毎年、1500発の花火を打ち上げる「夏の風物詩」として地元で親しまれ、ことしは主催する地元の観光協会などが4年ぶりの開催を目指していましたが、資金不足を理由として中止を決めました。

御宿町観光協会のホームページより

運営費用は、例年、地元の企業などからの寄付でまかなってきましたが、人件費などが高騰する一方で、地域経済が新型コロナの影響から回復しておらず、資金を集めることは難しいと判断したということです。

御宿町観光協会

春ごろまでは4年ぶりの開催を目指していましたが、人口規模も小さい町では、新型コロナによる経済への影響は続いていて、残念ですが中止を決断せざるをえなかったです。

取材後記

ことしは多くの人が花火大会の復活を心待ちにしていたのではないでしょうか。私もそのうちのひとりです。

4年のブランクが生み出した影響には驚きを感じましたが、柏市が、こうした待ち望んでいた人の思いにうまく応えるように、工夫して資金を集めた手法は、アフターコロナやコロナで中止になった事業の復活など、多くの場面でヒントになるのではないでしょうか。

一方で、御宿町の花火大会のように、特に人口規模が小さい地域では中止せざるを得ない事情があり、コロナ禍の経済へのダメージの深刻さも実感しました。

「4年ぶり」、ことしはこの言葉が目立っていますが、その背景や当事者の声まで、これからもしっかりと取材をしていきたいと思います。(間瀬有麻奈)

  • 間瀬有麻奈

    千葉放送局 東葛支局 記者

    間瀬有麻奈

    ことしは絶対に花火大会に行きます。個人的にはドーンと打ち上がって花火が広がる時よりも、パラパラと消えていく瞬間に風情を感じます。

  • 渡辺佑捺

    千葉放送局 記者

    渡辺佑捺

    小さい頃は大きな打ち上げ花火の音が怖くて嫌いでしたが、ことしは4年ぶりに浴衣を着て見に行きたいです。

  • 金子ひとみ

    千葉放送局 記者

    金子ひとみ

    10代の頃はさぬき高松まつりの花火を見に行っていました。

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