千葉市動物公園のレッサーパンダ「風太(ふうた)」。かつて2本足で立つ姿で一世をふうびしましたが、7月5日に20歳の誕生日を迎えました。人間で言えば80歳を超える高齢です。記念のセレモニーが開かれ、“バースデーケーキ”も用意されました。
(千葉局記者・大岡靖幸)
20歳の誕生日を迎えた風太です。
高齢で足腰も弱っていることから近年は立ち上がることはありません。最後に立ち上がったのは4年前だということです。
また、レッサーパンダはもともと涼しい地域に生息し、暑さに弱いことから、夏場は外に出ないことが多いということです。
誕生日を記念するセレモニーが開かれた7月5日。「風太」のおうちの周りには、約400人のファンなどが詰めかけました。
用意されたのは、“バースデーケーキ”。
本来はササが主食ですが、おやつとして与えられているリンゴやサツマイモのほか、メロンやアスパラガスなどが特別に盛り付けられました。
飼育員が差し出してみたところ…。
興味を示してゆっくり小屋から出てきましたが、口にすることはなく寝室に入ってしまいました。
セレモニーでは、千葉市の神谷市長から風太に特別感謝状が贈られました。
千葉市 神谷俊一市長
「レッサーパンダ、風太殿。貴方は愛らしい立ち姿で、全国民に大きな驚きと感動を与えてくれました。豊かなファミリーを形成し、長寿を保って、今もなお活発なその姿は、たくさんの人々を笑顔にしてくれています。その功労を称えるとともに、二十歳の誕生日を祝して、ここに感謝の意を表します」
千葉市動物公園 鏑木一誠園長
「風太はレッサーパンダ界のビッグアイコンなので、節目である20歳を迎えられたのは、とてもうれしく思っています。日本の夏は非常に過酷なので、風太をはじめレッサーパンダにとって過ごしやすい環境を提供し、今後も注意深く、彼の豊かな日々を見守っていきたいです」
いま、風太を巡っては、より快適な飼育環境を整えようと、インターネット上で寄付金を募るクラウドファンディングが行われています。
寄付金の募集期間は7月31日までで、第1目標の500万円はすでに達成し、最終目標は3000万円となっています。
寄付金は、▼風太が食べやすいよう「えさ」を細かく砕くミルの購入や、▼暑さを和らげる自動ミスト装置や冷風機の設置などに使われます。
返礼品は、寄付額に応じて、風太のフォトブックやクッションといった限定グッズが用意されています。
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5年前、15歳の誕生日の時に風太を取材しました。
当時は飼育員の方が大好物のリンゴで誘い、風太を立たせていましたが、5年後の今日は無理に立たせることもなく、風太はただゆっくりと歩いていました。
立たなくなった風太に一抹の寂しさも感じますが、多くの観客を前に悠々と歩く姿は風格すら感じました。
国内で最も長く生きたレッサーパンダは24歳。風太には、それ以上に長く、元気な姿を見せて欲しいと思います。