高層マンションなどの集合住宅では、大きな地震が発生すると、水道や電気などのライフラインの供給がストップしたり、エレベーターが止まって物資の運搬が困難になったりするなど、さまざまな影響が想定されます。
自治体のなかには、集合住宅に住む人たちに向けた防災マニュアルを作成するところも出てきています。千葉市は、耐震性の高いマンションなどの場合は、避難所ではなく、自宅で生活を続ける「在宅避難」を目指すことを呼びかけています。
いざというときの「在宅避難」のために、備えは万全ですか?
2011年に起きた東日本大震災の時も、マンションなどの高層階では、ゆっくりとした大きな揺れ(長周期地震動)が長時間続きました。
当時、宮城県仙台市のマンションの10階に住んでいた人によると、冷蔵庫や食器棚はすべて揺れの方向に向かって倒れ、食器は棚から外に飛び出して破片が散らばり、足の踏み場もない状態になったということです。
電気・ガス・水道がストップ、エレベーターも停止し、階段を上り下りして食料や物資を運ばなくてはならなくなり、苦労した記憶があると話していたよ。
大きな災害がおきて、住宅が被害を受けると、人々は避難所で生活することになります。千葉市のマニュアルによりますと、人が多く集まる避難所では、プライバシーの確保が難しく、ストレスや過労から体調を崩してしまうこともあるそうです。
耐震性の高いマンションなどの場合は、避難所への避難の必要性が低いと考えられるということで、千葉市は、そうした集合住宅に住んでいる人たちには、可能な限り住み慣れた自宅で生活を続けられるようにすることを呼びかけているんだって。
〇居住継続のためのポイント
✅食料、物資の備蓄
✅室内の安全対策
✅身の安全の確保
✅火元の確認・避難口の確保・室内設備の確認
✅情報収集・家族の安否確認
✅トイレ使用マニュアル
✅電気設備の浸水対策
✅自主防災組織の活動への参加
※千葉市「集合住宅向け防災マニュアル」より
また、高層階に住む人たちは、エレベーターが停止した場合に備え、食料等を少し多めに準備しておくことが大切だといいます。
食料・物資の備蓄(飲食料は最低3日分、できれば1週間分を)
家具の転倒防止策を行っている人は多いと思うけど、正しくできているかな?チェックしてみてね。
✅家具は倒れる向きや場所を考えて配置する。寝室や子供の部屋にはできる限り家具を置かない。
✅家具の上には物を置かない。
✅物の収納は重いものを下にし、家具の重心を低くする。
✅食器棚や窓のガラスに飛散防止フィルムを貼る。
✅可能な限り、背の低い家具などを選ぶ。
✅転倒防止金具などで壁に固定し、家具を倒れにくくする。
✅食器棚等の扉には扉開放防止器具を設置する。
✅書棚等は転倒防止器具と併せて収容物落下防止器具を設置する。
※千葉市「集合住宅向け防災マニュアル」より
転倒防止金具の一例
居住継続(在宅避難)のためのポイントとして、千葉市のマニュアルには、ほかにも、地震が発生したときの対応、トイレ使用マニュアル、電気設備の浸水対策などについて詳しく記されています。
「集合住宅向け防災マニュアル(2022年6月 千葉市作成)」
※千葉市ホームページから印刷・ダウンロードできますhttps://www.city.chiba.jp/somu/kikikanri/bosai/syugouzyutakumanyuaru.html
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