色を塗り替えてほしいと匿名で現金500万円の寄付が寄せられていた松戸市のJR新松戸駅前にある鳥居のような真っ赤なオブジェについて、市は、いまの赤よりも深みのある「ボルドーレッド」に塗り替えることを決めました。
松戸市のJR新松戸駅前にあるオブジェ、「あかりのボックス」は、露天商の出店や放置自転車の防止、歩行者同士の接触を避けることなどを目的に20年前に市が設置し、鮮やかな赤色で鳥居のような形をしています。
設置当時、市民から「赤は刺激の強い色だ」「鳥居を連想されてしまう」などと塗り替えを求める声が多く寄せられたほか、ことし1月には、「塗り替えてほしい」と書き添えられて現金500万円の寄付が匿名で市に寄せられ、市が対応を検討していました。
設置から年数が経過していることなどもあり、松戸市はことし9月、市のホームページの専用フォームや、市役所や支所にアンケートボックスを設置し、色の希望を尋ねました。また、地元の町会連合会も24の町会に対してアンケートを行いました。
2つのアンケートを合わせた結果
▽赤色:508票
▽ベージュ色:377票
▽みどり色:247票
▽黄色:134票
9月30日には、新松戸商店会連合会などから市に対し、赤色で塗り替えることを求める要望が出されました。
11月2日、市は、景観や色彩の専門家から意見を聞き、2種類の色彩が提案されました。
▽ボルドーレッド:従来の鮮やかな赤色に深みを加え、成熟した都市のイメージをアピールする色
▽クリムソンレッドまたはブルゴーニュ:赤紫系の色相により、都市の中で適度な個性を発信する、しゃれた印象の色
市は検討を重ねた結果、「成熟した都市のイメージをアピールする色」として、現在の赤よりも深みがある「ボルドーレッド」に塗り替えることを決め、12月26日に記者会見で発表しました。
松戸市は、今後のスケジュールを以下のように発表しました。
2023年1月1日 広報まつどと市HPで、色彩決定とアンケート結果を公表
1月上旬 「あかりのボックス」周辺で工事実施の周知看板を設置
1月中旬~3月下旬 塗り替えと、鳥よけ対策の工事実施
寄付として寄せられた500万円も、活用されるということです。
記者会見では、塗り替える色が再び赤色になったことについて質問が出されました。
「赤」を変えて欲しいということで500万円が寄付されたわけですが、匿名の寄付者から苦情が出る可能性はないですか?
寄付した人は、「町会連合会の意見を尊重してください」ということでした。町会連合会のアンケートも、赤が一番多くなりました。このため、寄付者の意向にも沿えたと解釈しています。
塗り替え費用はいくらですか?
塗り替えと鳩よけ対策で、1600万円あまりです。鳩がとまれないような対策をあわせてやらせていただきます。
市民の皆さん、特に新松戸の人たちに、自分たちのまちの象徴として愛して頂ければなと思います。