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伊沢拓司が大学生のリアルな不安に回答 みらい応援塾

  • 2022年12月15日

新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引くなかで、大学生の授業や学生生活、また将来への展望には様々な思いがあると思います。先月、そうした声を集めてゲストとともに解決策を考えてみるという催しがありました。学生たち、どんな不安を持っているのでしょうか。

コロナ禍でふくらむ学生たちの不安に答えるイベント

オンライン授業をしてみたかったなとか思うことってありますか?

勉強や就活をどういうモチベーションで頑張ったらいいのでしょうか?

プライベートな友達って大事だと思いますか?

この記事をお読みのあなたなら、大学生たちのこうした質問にどうお答えするでしょうか?

新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引くなかで、授業や学生生活、将来についての大学生たちの様々な不安の声を集め、ゲストとともに解決策を考えてみるというイベントが、11月下旬に都内でありました。

大学生に広く呼びかけて大学生協とNHKが共同で行ったイベント「みらい応援塾」です。ふだんから大学生活をサポートしている大学生協学生委員会のメンバーの進行で行われました。

伊沢拓司さんが大学生のリアルな不安に回答

ゲストには、不安の声に答えるコメンテーターとしてふたりの社会人が参加しました。

ひとりは伊沢拓司さん。大学在学中にクイズをテーマに発信するウェブメディアを設立、マルチに活躍しています。

そして、NHKの新保真生職員。「プロフェッショナル 仕事の流儀」の担当ディレクターとして、様々な分野のプロを真正面から取材してきました。

“学びの不安”と“就活への不安”に答える

会場でまず紹介されたのは、大学生協が7月に全国の大学生5000人以上にアンケートした結果です。「オンライン授業が中心だったので、友達ができず先輩もいない」「知り合いがおらず励まし合えない」「自分だけ置いていかれているのでは」「ガクチカ(就活での自己PR「学生時代に力を入れたこと」)が学生生活で作れたか分からない」など、コロナ禍で孤独な学生生活を送る中で生じてきた、さまざまな不安が明らかになりました。

こうした“学びの不安”と“就活への不安”に対するゲスト2人のやりとりです。

伊沢拓司さん

(今回のコロナ禍では)成長実感って点だと、人と比較することで自分はできているかできていないかが分かるから、自分ひとりでやってると感じづらい部分ってあったりするんじゃないですかね。

新保真生元ディレクター

(人と)相対化できないというか。もう自分の中だけで、その目標値を超えたのか超えてないのかっていうのを本当に自己完結しなきゃいけない。

何か工夫とかコツって思い当たるものとかありますか。

ひとつは、自己研鑽に思いっきり時間を使うことができるかもしれないというか、他人と比べるのではなくて自分と比べる癖をつける。この3年間、人を頼ることはできなかったけど、その代わりこれで身につけたものは他の世代と違って限りなく自分の力でここまで来たんだと。

自分に問いかけることってすごく大事ですよね。なんとなく頭の中で考えるんじゃなくて、言葉にしてパソコンに打ち込んでみるとかすると、すごくわかりやすくなると思います。

起業した学生時代に困難がいくつかあったと思うんですけど、どういう風に乗り越えてきたのかのをぜひ聞きたいと思います。

毎日何かに追われていて本当に追われてた記憶しかないです。

家にはシャワーを浴びに帰るだけだし、お金がなかった時はネットも電気も止まっていたのでシャワーも冷たいしみたいな、本当にそういう状況だったんですけど、真っ向から立ち向かうんじゃなくて、貧しいんだけど別のよりどころがあるというか。お金はないけど、お金がないぜハハハって笑い合えるやつがそばにいるとか、大学院の勉強がつらい時は大学院の勉強つらいぜっていう仲間がクイズノックにいたし、別の場所を持ってたというのが僕にとっては大きかったですね。

それも1個の逃げですけど、僕は結果的に複数の場所を持つことで救われたので、もし今の悩みから抜け出せないで四六時中考えちゃうってことがあったら別の場所を作ることが大事だと思います。

会場からも続々と寄せられた“不安”や“悩み”

会場で伊沢さんたちへの質問を募ったところ、参加した学生たちから次々と手が挙がりました。

「社会に出るモチべ―ションが上がらない」という不安を持つ参加者とはこんなやりとりも。

参加した学生

楽しそうじゃないというか、今から俺、あそこに行くために頑張らなきゃいけないのかな?っていう思いが強くて。

伊沢拓司さん

楽しそうじゃない?

お金のために働いてる感がすごくて

なるほどね。

自分のやりたいことができるのかな?とか。

社会人たちの目的意識、大事に思っているものってめちゃくちゃ多様だと思うんです。もし人を見て楽しくなさそうだなと思ったら、それは楽しくないのではなくて、自分が楽しいと思わない価値のために動いているんだなと思った方がいいと思うし、もしあなたが今後働くんだったら、自分が楽しいもののために頑張ったらいいのかなという風に思います。社会が待っているというよりは、あなたが社会をつかまえに行ってください。

大学での新生活に戸惑う声もありました。

参加した学生

新しいことばかりの連続で、何が正解かわかんない状況っていうのがずっと連続していて。新しいことに直面した時とか、急な変化とかに何かいい心構えとかがあったら教えてほしいなと思います。

僕も大人数の教室で集中力を保つということは非常に苦労しましたし、多分ここにいる学生さんの中でもこれが正解だっていうのを持っている人ってあんまりいないんじゃないかな。意外と何か見つからないものだと思うんです。特に友達と話していると、その友達と正解が違う可能性がありますね。 (正解は)高校時代より多様にあるという風に僕は思っているので、自分が正解だと思ったら(僕は)1回それを信じてみる。誰が認めてくれるわけでもないんで、正解かどうかって。新しいことに直面した時はまず信じてみて、次に疑ってみて。それでもいいならまた信じてみて、定期的に疑ってってことを繰り返すということが大事だと思いますし、それでいいんだと思っていることが、自分を勇気づけてくれると思います。

そして、だれもが抱える、この不安も。

参加した学生

自信を持つにはどうしたらいいと思いますか?

僕は最初はカラ自信から入ります。カラ元気と同じカラ自信。とりあえずやってみろと、ちっちゃいことでもいいからでやってみると、0点ってことはあんまりない。10点ぐらい取れたりする。あ、ここでもいい、良かったねっていうところを広げていく。それも言語化ですよね、すべて。良かったところを言語化してみて、じゃあここが良かったなら次これいけるんじゃないかなってとこにチャレンジしてね。おお、意外とできるじゃんという形で自信を作ろうとしています。

新保真生元ディレクター

試合数ですね。試合数です。どれだけの試合をしたか。負けも含めた試合数です。いろんなことにどれだけ挑戦したか、自分で飛び込んだかみたいなものが最終的に自信になります。100敗してでも、僕はそれを経験して挑んだっていうことが自信になります。

イベントを終えて 学生たちは

参加した学生たちからは、不安と向き合って自分でさらに考えていくためのきっかけになったという声が聞かれました。

参加した学生

自分を見つめ直す機会っていうのがなかなか大学でもなかったので、そういう面では今日の機会っていうのはとても大事だと思うし、今から就活とかそういう風に対して向き合っていきたいなって思える時間でした。

参加した学生

本当に辛いと思ったら逃げても、それは逃げじゃないんじゃないかな?っていう話はいただいたので、少し不安っていうものからは解消されて、自分なりに何かもっと将来頑張っていこうかなっていうやる気になれました。

大学生たちの不安に直接答えるという今回のイベント。企画してきた大学生協学生委員会の3人も、オンラインでなく直接やりとりをして学生たちのサポートができる機会になったと話していました。

鳥井和真さん

今の大学生は本当にこういうことに困っているんだなとか、こういうことを願ってるんだなみたいなことが本当に直接伝わってきたなっていうので、そういうのをすごくしっかりと伝えることだったり、伊沢さんと新保さんから実際にお話いただくというのはいい機会だったなと思います。

齋藤薫さん

参加者の中から「これを聞きたいです」と手を挙げて、自分のことばで「私はこれが気になります」と質問できたことはもう大成功だなと思ったので、それができたことがいちばんの成功の要素だなと思っています。

角田咲桜さん

参加している大学生のみなさんも書くのが追いつかないぐらいたくさんメモを取りながら話を聞いていたり、質問でたくさん声を聞かせてくださって、何かひとつでも持ち帰るものがあったんだろうなと思うと、この場をつくれて本当によかったなと思っています。

 この記事を動画で見る (NHKサイトを離れます)

 

伊沢拓司さんが出演中 「モンモンZ」(NHK Eテレ)  

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