岸田首相 公明 山口代表に寺田前総務相の更迭陳謝し結束確認

寺田前総務大臣を更迭したことを受けて、岸田総理大臣は21日公明党の山口代表と会談して陳謝し、終盤国会に向けて早急に体制を立て直し、政府・与党で結束して対応する方針を確認しました。

岸田総理大臣と公明党の山口代表の会談は21日午後、総理大臣官邸でおよそ1時間行われ、岸田総理大臣は寺田前総務大臣を更迭したことについて、「大変、ご迷惑をおかけし申し訳ない」と陳謝しました。

そして物価高騰対策などを盛り込んだ今年度の第2次補正予算案や、旧統一教会の被害者救済を図る新たな法案についても、今の国会で早期の成立を図りたいとして協力を求めました。

これに対し、山口氏は「政府としてもしっかり努力してほしい」と応じ、両氏は来月10日に会期末を迎える終盤国会に向けて、早急に体制を立て直し、政府・与党で結束して対応していく方針を確認しました。

会談のあと、山口氏は記者団に対し、「岸田総理大臣は任命権者として厳しい反省のうえに立って再出発しなければならない。国民の信頼を取り戻す努力が大事で、与党としても厳しい目を持って政府の取り組みを見ていく」と述べました。

野党は任命責任追及強める

寺田・前総務大臣の辞任を受け、国会では、補正予算案の審議に影響が出ていることから、与党側は、速やかに成立させるためには野党側の協力が不可欠だとして、丁寧な国会運営を心がけることにしています。これに対し、野党側は、1か月に閣僚3人が交代するのは異例で、岸田総理大臣の責任はあまりに重いとして、追及を強める方針です。

国会では、21日、物価高騰対策などを含む今年度の第2次補正予算案が衆参両院の本会議で審議入りする予定でしたが、寺田・前総務大臣の辞任を受け、参議院での審議入りは、22日にずれ込みました。

岸田総理大臣は、国会開会中の相次ぐ閣僚の辞任について、「誠に遺憾であり、任命責任を重く受け止めている。政策に遅滞が生じないよう政府一丸となって国政の運営に取り組むことで職責を果たしたい」と陳謝しました。

与党側は、補正予算案を速やかに成立させるためには、野党側の協力が不可欠だとして、野党側が求める予算委員会での集中審議の開催にも応じる方向で調整するなど、丁寧な国会運営を心がけることにしています。

これに対し、野党側は、わずか1か月に閣僚3人が交代するのは異例で、任命権者である岸田総理大臣の責任はあまりに重いとして追及を強めるとともに、補正予算案についても経済対策としての実効性などをただすことにしています。

一方、旧統一教会の被害者救済に向けた法案をめぐっては、21日、支援活動を行う弁護士らが「政府案は、被害救済にはほとんど役に立たない」とする声明を発表しました。

会期末が来月10日に迫る中、政府与党と、さらなる内容の充実を求める野党側との間で合意を図れるかが焦点となります。