低所得世帯子ども1人当たり5万円支給案検討 財源の主張に溝も

物価の上昇を踏まえた緊急対策をめぐって、政府・与党は、原油価格の高騰対策に加えて、低所得の子育て世帯を対象に、子ども1人当たり5万円を支給する案などを検討していて、財源として補正予算案を編成するかどうかを含め、詰めの調整を進めることにしています。

政府 来週に緊急対策取りまとめへ

ウクライナ情勢に伴う物価の上昇を踏まえた緊急対策をめぐっては、20日、岸田総理大臣と公明党の山口代表が会談し、政府が来週、緊急対策を取りまとめることから、両党の幹事長に調整を急がせることを確認しました。

今回の緊急対策で、政府・与党は、原油価格高騰への対応として、石油元売り会社への補助金を拡充するとともに、ガソリン1リットル当たり172円程度としている現在の価格抑制の基準を引き下げることなどを盛り込む方針です。

また、低所得の子育て世帯を対象に、子ども1人当たり5万円を支給する案を検討しているほか、原材料の安定供給に向けて、住宅メーカーが国産材に切り替える際には必要な費用の一部を支援することなども盛り込む見通しです。

一方、財源をめぐっては、自民党が今年度予算の予備費で対応すべきだとしているのに対し、公明党は補正予算を今の国会で成立させるよう求めていて、両党の主張の溝は埋まっていません。

自民党内には、予備費を積み増すための補正予算であれば今の国会での審議を容認する声も出ていて、両党の幹事長を中心に緊急対策の内容や財源について詰めの調整を進めることにしています。

両党の主張の溝とは…

ウクライナ情勢に伴う物価の上昇を踏まえた緊急対策をめぐっては、自民党がスピード感を重視して今年度予算の予備費で対応すべきだとしているのに対し、公明党は不測の事態も想定して補正予算が必要だと主張しています。

こうした中、両党の幹事長と政務調査会長が、19日午後、国会内で会談し、裏付けとなる財源などについて意見を交わしましたが、両党の主張の溝は埋まらず、引き続き協議することになりました。

自民党の茂木幹事長は、岸田総理大臣に報告したあと記者団に対し「認識の一致は見られるが、まだ詰めるべき点がある。岸田総理大臣からは『引き続き頑張ってもらいたい』という話だった」と述べました。

また、公明党の石井幹事長は「まだ残された部分があり、なるべく早くまとめたい。公明党として、今の国会で補正予算を編成し、成立させるべきだという立場に変わりない」と述べました。