宮城県と福島県で震度6強
首相 「救急救命など指示」

今回の地震を受けて、岸田総理大臣は、16日午後11時55分ごろ、総理大臣官邸に入りました。
その際、記者団に対し「私から、状況の把握に努めることと、政府一丸となって被災された人の救急救命に全力で対応すること、的確な情報提供を国民に行うことの3点を指示した。情報の把握については、いまこれから確認したい。今のところそこまでだ」と述べました。

宮城県と福島県で震度6強 宮城と福島沿岸の津波注意報は解除

16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測する地震があり、宮城県と福島県の沿岸に津波注意報が発表されましたが、午前5時にすべて解除されました。
気象庁は、揺れの強かった地域では今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れに警戒するよう呼びかけています。

震度6強
この地震で震度6強の揺れを、
▽宮城県登米市、蔵王町
▽福島県相馬市、南相馬市、国見町で観測しました。
震度6弱
また、震度6弱を、
宮城県石巻市 名取市 角田市 岩沼市 栗原市 東松島市 大崎市 大河原町 川崎町 亘理町 山元町 涌谷町
福島県福島市 二本松市 田村市 伊達市 桑折町 天栄村 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 新地町 飯舘村で観測しました。
震度5強の揺れを岩手県と宮城県、山形県、福島県で。

震度5弱の揺れを青森県と岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、それに新潟県で観測しました。

このほか、震度4から1の揺れを北海道から九州にかけての広い範囲で観測しました。
気象庁 震源の深さとマグニチュードを更新
気象庁は、この地震について、
▽震源の深さを60キロから57キロに、
▽地震の規模を示すマグニチュードを7.3から7.4に、
それぞれ更新しました。
この地震で、気象庁は、宮城県と福島県の沿岸に津波注意報を発表しました。

▽宮城県の石巻港では午前2時14分に30センチ、
▽仙台港では午前1時46分に20センチ、
▽福島県の相馬港でも午前3時15分に20センチの、
それぞれ津波を観測しました。

津波注意報は午前5時にすべて解除されました。

岩手県から福島県にかけての沿岸では、今後、多少の潮位の変化はあるかもしれませんが、津波の被害の心配はないということです。

福島県沖や宮城県沖ではその後も地震が相次いでいて、気象庁によりますと17日午前7時までに震度1以上の地震が14回起きています。

また、この地震の2分前には福島県沖を震源とする深さ57キロ、マグニチュード6.1の地震が発生しました。

気象庁は、揺れの強かった地域では今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れに警戒するよう呼びかけています。

激しい揺れにより建物やブロック塀などが損傷したり、地盤が緩んだりしているおそれもあり、危険な場所には立ち入らないほか、土砂災害や雪崩などにも十分注意してください。
長周期地震動 最大「階級4」を観測
宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測した今回の地震では、長くゆっくりとした揺れ、「長周期地震動」が観測され、宮城県では最も大きい「階級4」を観測しました。

長周期地震動は規模の大きな地震で発生する周期が2秒を超えるような大きくゆっくりとした揺れで、特に高層ビルなどで影響が出ます。

今回の地震で、宮城県の登米市と大崎市、それに涌谷町では、最も大きい階級4の揺れを観測しました。

気象庁によりますと、階級4の揺れでは、高層ビルなどで立っていることができず、固定していない多くの家具が転倒し壁にひび割れや亀裂が多くなるとしています。

階級4の揺れを観測したのは去年2月13日に福島県沖で起きたマグニチュード7.3の地震以来です。

このほか、階級3から1の揺れを北海道から東海にかけての広い範囲で観測しました。

宮城県と福島県で震度6強は去年2月以来

宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測したのは去年2月13日に福島県沖で起きたマグニチュード7.3の地震以来です。
この時は
▽震度6強の激しい揺れを宮城県蔵王町、福島県の相馬市、国見町、新地町で、観測したほか、
▽震度6弱の揺れを福島県と宮城県の各地で観測しました。
東大地震研 古村教授「建物の傾きなど身の回りの安全確認を」
地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の古村孝志教授は「震度6強の地域もあり耐震性のない住宅やブロック塀には、すでに被害が出ている可能性が十分にある。海岸の近くのほか、傾いている建物などあれば身の回りが安全かどうか、確認したうえで丈夫な建物などに避難したほうがよい」と呼びかけています。

そのうえで、「福島県沖やその周辺はふだんから地震活動が活発なところで、11年前の巨大地震の影響も続き、地震が起きやすい状態だ。今後もしばらくは同じくらいの規模の揺れを伴う地震に注意してほしい」と話しています。