菅首相 五輪終え会談相次ぐ
パラリンピックの観客は?

東京オリンピックの閉幕を受け、菅総理大臣は、大会組織委員会の橋本会長らと面会し、日本選手の活躍が国民に勇気を与えたとしたうえで、8月24日から始まるパラリンピックに向け、政府として引き続き全面的に支援していく考えを伝えました。

総理大臣官邸で行われた面会には大会組織委員会の橋本会長のほか、JOC=日本オリンピック委員会の山下会長や、日本選手団の福井烈団長が同席しました。

この中で橋本会長は、東京大会での政府の新型コロナウイルス対策に感謝の意を示したうえで「復興を象徴する大会となるよう、パラリンピックにつなげていきたい。世界最高の大会とするべく、準備に取り組んでいく」と述べました。

これに対し菅総理大臣は「日本の選手が大活躍だった。多くの国民に勇気を与えることができたのではないか。大会が1年延期され、大変な思いをしながら大会にこぎ着けたと思うが、選手はもちろん、コーチやスタッフの皆さんにも本当に敬意を表したい」とたたえました。

そして、8月24日に開幕する予定のパラリンピックに向け、政府として引き続き全面的に支援していく考えを伝えました。

この後、橋本会長は記者団に対し、パラリンピックの観客の扱いについて「しっかりと時期を見て考えていきたい。その時にまた政府に話をしたい」と述べました。

加藤官房長官「パラの観客 5者で協議」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「パラリンピックの観客の取り扱いについては、先月の5者による会談で、今後の感染状況などを踏まえて判断する必要があることから、オリンピックの閉会後に決めることとされており、これに沿って適切に判断される。現時点で、次回の5者による会談のスケジュールについては、決まっているわけではないと承知している」と述べました。

また、競技会場のある自治体などの児童・生徒の観戦について「オリンピックで参加した子どもは、さまざまな感動や思いを受けたと聞いている。そうしたことも踏まえながら、パラリンピックでは、5者による会談や各地域の教育委員会などで適切に判断されるものと認識している」と述べました。

日米電話首脳会談 五輪成功の祝意を示す パラも安全・安心に

菅総理大臣は10日朝、アメリカのバイデン大統領と電話で会談しました。バイデン大統領は、東京オリンピックについて、すばらしい成功を収めたとして、祝意を示したのに対し、菅総理大臣は東京パラリンピックについても、安全・安心な大会にしたいという考えを伝え、協力を要請しました。

菅総理大臣と、アメリカのバイデン大統領との電話会談は、午前8時半ごろから、およそ15分間行われ、開会式出席のため日本を訪れたジル夫人も同席しました。

この中で、バイデン大統領は8日、閉幕した東京オリンピックについて、すばらしい成功を収めたとして、日本政府や国民に対して祝意を示しました。

これに対し菅総理大臣は「今回のオリンピックは、新型コロナという困難な状況の中で開催が1年延期され、さまざまな制約のもとでの大会となったが、開催国としての責任を果たし、無事に終えることができた」と述べ、アメリカからの一貫した支持と協力に謝意を伝えました。

そのうえで菅総理大臣は8月24日に始まる東京パラリンピックについても、安全・安心な大会の実現に向けて全力を尽くしたいという考えを伝え、協力を求めたのに対し、バイデン大統領は、強く支持する考えを示しました。

このほか両首脳は日米同盟の強化や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

小池知事「感染対策を徹底する必要」

小池知事は、8日に閉幕した東京オリンピックについて「アスリート、関係者の皆さんに『プレーブック』を守っていただき、安全・安心な大会にご協力いただいた。都民・国民の皆さんに、大きな大会をやり遂げられたことを心から感謝したい」と述べました。

一方、選手など大会関係者で新型コロナウイルスの感染が確認されたことについては「すべて想定の中に収まっている。逆に、毎日発表される感染者の多くは国内からのものだった」と述べました。

そのうえで「パラリンピックのときは海外から来る人よりも、むしろ国内の業者の人たちをどうするのかだと思うので、一度整理したほうがいい。間違ったイメージを与えてしまう」と述べ、国内の関係者の感染対策も徹底する必要があるという考えを示しました。