小山田氏辞任めぐり発言
橋本会長 丸川大臣 小池知事

橋本会長 謝罪「責任は私にある」

東京オリンピックの開会式の作曲者の1人だった小山田圭吾さんが過去に雑誌のインタビューで明かしたいじめの告白に対し批判が相次ぎ辞任したことについて、大会組織委員会の橋本会長は責任は自分にあるとして謝罪したうえで「東京大会が多様性と調和に向けて進んでいけるよう最大限の努力をしないといけない」と述べました。

小山田さんは東京オリンピックの開会式で使用する曲の作曲者の1人でしたが、20年以上前に雑誌のインタビューで明かした学生時代のいじめの告白に対し批判が相次ぎ開会式直前になって辞任しました。

これについて組織委員会の橋本会長は20日の記者会見で「責任は私にある。事前に問題をチェックできなかった」と述べました。

そのうえで「多様性と調和を柱とする東京大会のコンセプトから外れていた。適切な対応が遅れたこととこの問題で心を痛めた多くの方におわびしないといけない」と謝罪しました。

そして「いま一度、東京大会が多様性と調和に向けて進んでいけるよう最大限の努力をしないといけない」と述べました。

小山田さんの作った曲は開会式の冒頭で4分ほど使われる計画でしたが、組織委員会は使用しないことを決め、残りの制作チームのメンバーが替わりの曲や演出を検討しているということです。

丸川五輪相 「発言 許されない」

丸川担当大臣は、記者会見で「障害の有無にかかわらず、いじめや虐待はあってはならない行為だ。政府として、共生社会の実現に向けた取り組みを進めており、全く許されないことだと認識している」と述べ、組織委員会などと連携し、共生社会の実現という大会の精神を共有できるよう努める考えを示しました。

また丸川担当大臣は「世界中から多くのアスリートを日本にお迎えし、世界の最高の競技が繰り広げられることを期待をしている。世界の頂点を目指すアスリートの姿を通じて、次の時代を生きる子どもたちに夢や感動を味わってほしい」と述べました。

小池都知事「人権配慮した大会に」

東京都の小池知事は記者団に対し「もともと、大会は多様性と調和を理念にあげている。その観点からも人権に配慮した大会にすべきだ」と述べました。

そのうえで「それらのことはしっかりと、皆さんに理解してもらえるような対応を、これからもしていく必要がある」と述べました。

萩生田文科相「いじめはあってはならない」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で「教育を所管する大臣として、いじめは決して許されないことで、いじめをなくすという意識を社会全体で共有していくことが必要だ。大会組織委員会が小山田氏の辞任を受け入れたのでそれ以上のコメントは控えたいが、時代が、どう変わろうといじめはあってはならない」と述べました。

自民 二階幹事長「国際社会の標準に合わせて対応を」

自民党の二階幹事長は、記者会見で「コロナ禍という厳しい環境の中で、安全・安心な大会実現のために尽力している大会関係者の努力に改めて感謝申し上げたい。選手の皆さんが最高の結果を出せるよう心から願っている」と述べました。

一方、小山田圭吾さんが過去のいじめに関する発言をめぐって、東京オリンピックの開会式の作曲担当者を辞任したことについては「答弁の必要もない。国際社会の標準に合わせて対応していけばいい」と指摘しました。