熱海市長が観光への影響懸念
宿泊施設でキャンセル相次ぐ

静岡県熱海市の斉藤栄市長は8日午前の記者会見で、土石流のあと市内の宿泊施設でキャンセルが相次いでいるとしたうえで「被災したのは伊豆山地区の一部の地域だが、熱海市全体で災害が起きているような印象になっている」と述べ、観光への影響に懸念を示しました。

また、会見の中では市の担当者から、被災者が避難している市内のホテルで、連日、基礎疾患がある人などが体調不良で病院に搬送されていることが報告されました。

市は医師や保健師などのチームが巡回するなどして、避難している人の健康状態を把握し、体調管理に努めることにしています。

温泉施設を住民に無料開放

土石流の影響で熱海市伊豆山地区の一部で断水が続いていることを受けて、市は7日から市内の温泉施設を地区の住民に無料で開放しています。

熱海市伊豆山地区では土石流の影響でおよそ1100戸で断水が続いていて、復旧の見通しは立っていません。

こうした中、熱海市は市が所有する温泉施設「マリンスパあたみ」を7日から断水が続く地区の住民に無料で開放しています。

午前中は地区の住民の姿はほとんどありませんでしたが、ロビーの一角には寄せ書きのコーナーが設けられ、施設の利用者が「1日も早く大好きな熱海が戻ってきますように」とか「困難な時こそみんなで団結して乗り越えましょう」といったメッセージを次々に書き込んでいました。

「マリンスパあたみ」のスタッフ、滝口修さんは「被災した方々は大変な思いをされたので、温泉につかって少しでもリラックスしていただければと思います」と話していました。

施設では復旧の状況を見ながら当面、無料開放を続けることにしています。