ミャンマー軍拘束の北角さん
近く解放へ 外務省

外務省によりますと、ミャンマー軍に拘束されている日本人ジャーナリストの北角裕樹さんが近く解放されることを確認したということです。

ミャンマーの最大都市ヤンゴンを拠点に活動している北角裕樹さんは、先月18日、治安部隊によって自宅から連行され、うその情報を流した疑いなどでヤンゴン市内の刑務所に拘束されました。

外務省によりますと、現地の日本大使館などを通じて北角さんの解放を当局に働きかけていましたが、近く解放されることを確認したということです。

外務省幹部は、NHKの取材に対し「北角さんの解放に向けてさまざまな働きかけを続けてきた。本人の健康状態に問題はない」と述べました。

早ければ14日にも日本に送還される見通し

ミャンマーの国営テレビは13日、軍が設置した最高意思決定機関「国家統治評議会」の発表として、北角さんが解放されると伝えました。

それによりますと「北角裕樹は、公務員らが職務を放棄する不服従運動や市民の暴動を支援した罪で起訴されていた。ミャンマーの法律に違反したが、ミャンマー国民和解担当日本政府代表の求めに応じてミャンマーと日本の将来の関係を考慮し、起訴は取り下げられ、釈放される」と報じました。

関係筋によりますと、北角さんは早ければ14日にも日本に送還される見通しだということです。

現地の日本大使館は先月23日と今月12日の2回、北角さんと電話で話すことができ、暴力は受けておらず、健康状態に問題はないことを確認したとしていました。

北角さんはクーデターに抗議する市民を取材し、SNSに記事や動画を投稿したり、日本メディアに寄稿したりして、現地の情報を発信していました。

北角裕樹さんとは

日本人ジャーナリストの北角裕樹さんは、ミャンマーの最大都市ヤンゴン在住のフリージャーナリストです。

新聞記者などを経た後、2014年からミャンマーに渡り、ミャンマーの政治や文化などを取材していました。

ことし2月のミャンマーでのクーデター以降はクーデターに抗議する市民を取材し、SNSに記事や動画を投稿したり、日本メディアに寄稿したりして現地の情報を発信していました。

これまでの経緯

北角さんはクーデター後のことし2月26日、クーデターに抗議する市民のデモを取材中に、一時拘束されましたが、その日のうちに解放されました。

しかし、先月18日の夜、最大都市ヤンゴンの自宅のアパートから治安部隊に連行され、ヤンゴン市内のインセイン刑務所で拘束されました。

その後、市民に不安を与えたり、うその情報を流したりした罪などで今月3日に起訴されたということです。

そして、現地の日本大使館は12日、北角さんと電話で話すことが許され、健康状態に問題はないことを確認したとしていて、拘束は不当なものだとして早期の解放を求めていました。