河井案里前議員 有罪確定へ
5年間公民権停止に

公職選挙法違反の買収の罪で有罪判決を受け、3日に辞職した河井案里前参議院議員について、検察も控訴しない方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。これにより、案里前議員の有罪判決が確定する見通しで、参議院選挙の当選が無効になり、5年間すべての選挙で立候補が禁止されることになります。

前参議院議員の河井案里被告(47)は、おととしの参議院選挙で夫で元法務大臣の克行被告とともに、広島県議会議員4人に合わせて160万円を渡したとして、公職選挙法違反の買収の罪で、先月、東京地方裁判所に懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡されました。

案里前議員は3日「判決の内容には納得しかねる」とした一方で「これ以上、争いを長引かせ、混乱を生じさせることも私の本意ではない」として控訴しないことを明らかにし、議員を辞職しました。

判決は起訴内容の一部を無罪にしていて、検察は控訴について検討しましたが、関係者によりますと、控訴しない方針を固めたということです。

このため、控訴期限を過ぎる5日午前0時に有罪判決が確定する見通しとなりました。

これにより、案里前議員は参議院選挙の当選が無効になり、5年間、公民権が停止されてすべての選挙で立候補が禁止されることになります。

歳費・手当など4942万円余り支給

4日開かれた衆議院の予算委員会で、参議院の担当者は、河井案里・前参議院議員に支払われた歳費について「令和元年7月に初当選の参議院議員が、2月3日付で退職した場合の、歳費や期末手当、および文書通信交通滞在費の総額は、4942万6514円だ。辞職後の国会議員が過去に支給された歳費などを国庫に返納することを定める規定はなく、返納義務は負わない」と説明しました。