参院代表質問
コロナ対策などめぐり論戦

参議院本会議では、菅総理大臣の施政方針演説に対する2日目の代表質問が行われ、新型コロナウイルス対策などをめぐって論戦が交わされました。午前中の代表質問では公明党と日本維新の会が質問に立ちました。

公明 山口氏 日米関係「信頼関係構築 強化が極めて重要」

公明党の山口代表は、新型コロナウイルス対策について「感染が急拡大している地域では自宅で療養する人が急増しており、症状が急変し、死亡する事態も起きている。加えて、コロナの変異株が静岡県の感染者から確認された。水際対策の強化、そして、自宅や宿泊施設で療養する人の命をどう守るのか」と質問しました。

これに対し、菅総理大臣は「自宅療養や宿泊療養は、患者の症状の変化を速やかに把握するため、血液中の酸素濃度を計測する『パルスオキシメーター』の購入費用を支援するなど、活用を促進している。変異株の国内感染者が確認された静岡県では、現状では感染拡大は確認されていないが、県内感染者の遺伝子解析を進めていく」と述べました。

また山口氏は、日米関係について「バイデン新政権がスタートした。首脳会談の早期実現などを通じて、信頼関係の構築、強化を図ることが極めて重要だ」と指摘しました。

これに対し菅総理大臣は「『自由で開かれたインド太平洋』の実現や、新型コロナ、気候変動問題などの共通課題、イランを含む地域情勢など、幅広い分野において、バイデン新政権と緊密に連携し課題解決に取り組み、同盟関係をより一層、強化していく覚悟だ」と述べました。

山口氏「丁寧に答弁する姿勢が表れていた」

山口代表は、代表質問のあと国会内で記者団に対し「これまでより丁寧に答弁する姿勢が表れていた。引き続き丁寧な答弁が国民との対話につながる。菅総理大臣は、ワクチンの接種について『国民に分かりやすく説明していく』と述べていたので、ぜひ実行してもらいたい」と述べました。

維新 片山氏 ワクチン「国内で完結できるシステムを」

日本維新の会の片山共同代表はワクチンをめぐり「今後もパンデミックの発生が頻繁ならば、国内にワクチンの研究開発や製造の基盤を持たないと、毎回、相当量を輸入せざるを得なくなり、財政上も安全保障上も大きなリスクを負う。国内で、すべてを完結できるシステムを持ったほうがよい」と指摘しました。

菅総理大臣は「新型コロナウイルスをはじめ、予期せぬ感染症に対するワクチンについて、国内で開発・生産ができる体制を確立しておくことは重要だ。生産設備の整備の補助など、これまでに、さまざまな支援を実施してきた。引き続き、パンデミックに備えたワクチン開発の基盤や、生産体制の整備をしっかりと進めていく」と述べました。

片山氏「答弁が抽象的で一般的な内容」

片山共同代表は、記者会見で「答弁が抽象的で一般的な内容にとどまっていた。あのような答弁では、今後、とてももたず、予算委員会では面倒なことになるのではないか。菅総理大臣は、前から国家論や『国際政治観』がないなどと指摘されているが、最初から能力を備えている人はいないので身につけてもらいたい」と述べました。