河井案里議員に有罪判決
確定すれば当選無効

河井案里参議院議員がおととしの参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は、現金を渡したのは買収が目的だったと判断し、懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の当選は無効になります。

参議院議員の河井案里被告(47)は、夫で元法務大臣の克行被告(57)とともに、おととしの参議院選挙で広島の地元議員5人に合わせて170万円を渡したとして、公職選挙法違反の買収の罪に問われました。

裁判では票の取りまとめを依頼する目的だったかどうかが大きな争点となり、案里議員が「当選を目的として現金を渡したことはない」などとして無罪を主張した一方、検察は「案里議員の弁解は不自然・不合理な点が多く、明らかにうそだ」として、懲役1年6か月を求刑していました。

判決で東京地方裁判所の高橋康明裁判長は、克行元大臣との共謀を認めた上で、4人の広島県議会議員に現金を渡したことについて、選挙の情勢や地元議員らとの関係、それに渡した金額を考慮し、買収が目的だったと判断しました。

その上で懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

一方で、起訴内容のうち、江田島市議会議員に10万円を渡したとされた部分については無罪としました。

有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の参議院選挙での当選は無効になりますが、控訴すれば議員の立場が維持されます。

21日の判決は、100人に対して現金を配ったとして前例のない大規模な買収の罪に問われている夫の河井元法務大臣の裁判の行方にも影響を与えるとみられます。

案里議員 有罪が言い渡されたときの様子は

河井案里議員は、黒色のスーツに紫色のシャツを着て、左胸には議員バッジを付けて判決の言い渡しに臨みました。前回の裁判の時よりも髪を短くしていました。冒頭で有罪が言い渡されたときは背筋を伸ばしてまっすぐ裁判長の方を向いていました。