特別措置法改正案 罰則に
慎重論相次ぐ 立民など

新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案をめぐり、立憲民主党などが開いた会合では、法案に事業者への罰則が盛り込まれていることについて「事業者への財政支援を拡充しなければ対策の実効性はあがらない」という慎重論が相次ぎました。

政府が今の国会に提出する方針の新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案では、緊急事態宣言の対象地域で営業時間の短縮などの命令に応じない事業者に50万円以下の過料を科すなどといった罰則が盛り込まれています。

これについて、立憲民主党などが開いた対策本部の会合では「事業者への財政支援を拡充しなければ、罰則だけ設けても対策の実効性はあがらない」という慎重論が相次いだほか、罰則そのものに反対する意見も出されました。

また、会合では、政府が特別措置法と合わせて提出する方針の感染症法の改正案についても意見が交わされ、入院の勧告に応じない場合などに「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科すなどとしていることについて「刑事罰は重すぎる」という意見が出されました。

立民 福山氏「野党側の意見も謙虚に受け止めを」

立憲民主党の福山幹事長は、記者会見で「特別措置法で重要なことは、事業者などへの財政支援であり、罰則ありきで過料の問題が前面に立つ議論はいささか筋が悪い。一方、それぞれの自治体では、感染防止のために何らかの方策が必要なことも理解しているので、与党には、野党側の意見も謙虚に受け止めながら、よりよい法案にするよう強く求めていきたい」と述べました。

自公 来月初めの成立目指す

新型コロナウイルス対策の実効性を高めるための特別措置法の改正案と感染症法の改正案、それに水際対策を強化するための検疫法の改正案は、19日の自民党の了承を受けて、政府が週内にも閣議決定する方針です。

自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長らが国会内で会談し、これらの法案について、来月初めの成立を目指す方針を確認しました。

このあと、自民党の二階幹事長や森山国会対策委員長らは総理大臣官邸で菅総理大臣と会談しました。

この中で二階氏が、特別措置法の改正案などの手続きを含めた新型コロナウイルス対策の党の対応を報告したのに対し、菅総理大臣は「コロナの問題は、政府の責任でしっかり対応したい」と応じたということです。

二階氏は、会談のあと記者団に対し「国民が大変不安に思っているので、きょうは党と内閣のお互いの決意を確認しあった」と述べました。

自民 森山氏「野党の意見もしっかり聞く 反映できるよう努力」

自民党の森山国会対策委員長は記者会見で「きょうの自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長らの会談でも、これらの法案の成立を来月初めに、何としても果たそうということになった」と述べました。

そのうえで森山氏は、立憲民主党など野党側から法案の罰則に慎重な意見が出ていることについて「野党の意見もしっかり聞くことが大事だ。政府と与野党各党の連絡協議会でも野党の意見をすでに聞いているので、しっかり反映できるよう、われわれも努力したい」と述べ、政府が法案を国会に提出したあとに修正に応じることも、あり得るという考えを示しました。