独自の「宣言」発出の自治体
相次ぐ 「支援対象」要望も

新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が発出された11都府県以外にも、独自の「宣言」を出して対策を進める自治体が相次いでいます。

宮崎県“独自対策自治体も一時金支給 支援策対象に”

宮崎県は、新型コロナウイルスの感染者の急増を受けて、1月7日に独自の緊急事態宣言を出し、飲食店に対し営業時間を午後8時までに短縮するよう求めているほか、県民の外出自粛などを求めています。

河野知事は13日、政府の緊急事態宣言の対象地域に宮崎県を加えるよう要請する考えはないことを明らかにしました。

一方、国が新たに示した飲食店の取引先などに対する一時金支給の支援策の対象が、政府の緊急事態宣言が出された地域に限られているとして、宮崎県のように独自の要請を行っている自治体も加えるよう、13日、熊本県や沖縄県とともに国に要望したということです。

河野知事は「国の宣言の対象かどうかにかかわらず、営業時間短縮の要請を行っている自治体では飲食関連の中小事業者などに大きな影響が生じている。宮崎のように、先んじて積極的な対策を取った自治体にこそ、手厚い支援が講じられるべきだ」と話しています。

熊本県 県独自の宣言へ 政府の対象地域と同等対策

熊本県内では12日までの1週間の新規感染者が、前の週の2倍以上の557人となるなど、感染が急拡大しています。

こうした状況を踏まえて蒲島知事が12日に西村経済再生担当大臣と電話で協議しましたが、一部の指標が基準に達しておらず、政府の緊急事態宣言の対象地域に含むことは見送られたということです。

蒲島知事は13日夕方、臨時の記者会見を開き「県内の感染は年明けから急拡大していて危機的状況だ。緊急事態宣言の対象地域に加わる福岡県と歩調を合わせて対策を強化する必要がある」として14日から来月7日まで県独自の緊急事態宣言を出すことを発表しました。

具体的には今月18日から県内のすべての飲食店に対し、酒類の提供を午後7時までとしたうえで営業時間を午後8時までに短縮すること、14日から県民に不要不急の外出・移動を自粛することを要請するなど、国の緊急事態宣言の対象地域と同等の対策を取ることにしています。

また、期間中、要請に全面的に応じた飲食店に対しては1日当たり4万円の協力金を支給するということです。

三重県 県独自の宣言へ 飲食店などに時短要請も

緊急事態宣言が愛知、岐阜の両県にも拡大されることを受けて、三重県の鈴木知事は13日、記者団に対し「東海3県で面的、広域的に感染拡大防止を図る」と述べ、14日の午前中に、新型コロナウイルス対策の会議を開き、県独自の「緊急警戒宣言」を出す方針を明らかにしました。

鈴木知事によりますと「緊急警戒宣言」では、県民に対し生活の維持に必要な場合を除き県外への移動を避けることや、大人数で長時間におよぶ飲食は親族間やランチであっても避けることなどを要請するということです。

また、県内の飲食店で感染が拡大しているとして、酒類を提供する飲食店などに対し、営業時間の短縮を要請し、応じた飲食店に対しては協力金を支給するとしています。

ただ、実際に要請を始める日や時間帯、対象地域、それに協力金の詳細については、最終調整を経て、14日に公表するということです。

鈴木知事は「時短要請の終了は、来月7日になると思う。爆発的な感染拡大を防ぐための瀬戸際なので、宣言を出すことで東海3県で連携して感染を抑えたい」と述べました。

栃木県の医療団体「医療緊急事態宣言」

栃木県医師会や県看護協会など県内の医療関係の4団体で構成する「栃木県四師会協議会」が13日に記者会見を開き、「県内の医療提供体制はひっ迫している」として強い危機感を示しました。

この中で県医師会の稲野秀孝会長は、感染者の入院などがスムーズに行えていないとして、「医療従事者や保健所の職員が昼夜問わずに献身しているが、それも限界だ。心身ともに疲弊している。医療崩壊がすでに始まっているといわざるをえない」と述べました。

そのうえで、団体独自で「栃木県医療緊急事態宣言」を発表し、国や自治体に医療現場への適切な支援を要請するとともに、県民に感染防止対策の徹底を呼びかけました。

また、県看護協会の朝野春美会長は、医療従事者とその家族への差別や偏見が続いているとして、「県民にねぎらいや敬意を表してもらえることが、医療従事者の原動力になる」と訴えました。