「緊急事態宣言」発出検討
与野党の反応

4日午前、念頭にあたって記者会見を行った菅総理大臣は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を発出することを検討する考えを表明しました。

自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が会談し、緊急事態宣言が出される際には、衆参両院の議院運営委員会を開き、政府側から、宣言の内容や期間などについて事前に報告を受け、質疑を行うことを確認しました。

政府が通常国会に提出する予定の新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案については、提出されれば速やかに審議に入ることで一致しました。

会談のあと森山氏は、記者団に対し「まずは改正案の成立を期すべく与野党一致してやっていこうということだ。2月初めには成立を図るということが大事ではないか」と述べました。

一方、会談では、感染対策などについて議論するため、来週13日と14日に衆参両院の内閣委員会で閉会中審査を行うことで合意しました。

自民 森山氏「感染拡大は遺憾 防止で国民にお願いを」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「医療関係者の必死な努力にもかかわらず、感染拡大が続いているのは極めて遺憾だ。引き続き感染拡大防止のための努力を国民にお願いしなければならない。必要な法律の改正があれば、国会も対応を急ぎたい」と述べました。

そのうえで、これまでの政府の対応について「初めての対応で思ったようにいかなかったこともあると思う。速やかに政策を是正していくのは、特に命に関わる問題でもあり、大事なことだ」と述べました。

立民 安住氏「確認したいことたくさん」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「知事から促されるようにして後手後手に回って緊急事態宣言を出すことは残念なことだ。野党側は1か月も前から、大きな感染爆発を起こす前に宣言を出すべきだと訴えてきた。なぜここまで出さずに引っ張ってきたのかなど、確認したいことはたくさんある」と述べました。

立民 枝野氏「判断遅きに失したが宣言なら評価」

立憲民主党の枝野代表は、記者団に対し「判断が遅きに失したのは大変残念だが、それでも出さないよりは、何倍もましなので評価したい。大幅に廃業や倒産を迫られる事業者が出ることが予想されるので、十分な補償とセットで行い、国がしっかりと財源の裏付けも示すべきだ」と述べました。

公明 山口氏「専門家の意見集め対応策を」

公明党の山口代表は4日午前、党の仕事始めであいさつし「ことしの年明けは、新型コロナウイルスの感染状況が高い水準で展開している異例の幕開けとなり、これに対応することが政権の最優先の課題だ。自治体と政府が連携を密にしながら、国民が前向きに対応していけるように導いていかなければならない」と指摘しました。

そのうえで、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象とした緊急事態宣言の発出について「政府としても自治体からの要請を踏まえたうえで、分科会の専門家の意見などをしっかり集め、対応策を検討してもらいたい」と述べました。

また、山口代表は、今年度の第3次補正予算案と新年度予算案について「国民生活や経済に切れ目のないよう、予算を執行していくことが与党の責任だ」と述べ、今月18日に召集される見通しの通常国会で、早期成立を目指す考えを強調しました。

共産 志位氏「感染拡大は無為無策の人災」

共産党の志位委員長は、党の旗開きであいさつしました。この中で政府の新型コロナウイルス対策について「感染拡大が止まらず重症者が増え、多くの地域で『医療崩壊』の危機にひんしている。菅政権が無為無策の状況を続けてきた結果で、政権による人災にほかならない」と批判しました。

そのうえで「ことしは衆議院選挙が行われる歴史的な勝負の年だ。内閣支持率は下落し、早くも菅政権の終わりが見えてきた。市民と野党の共闘で政権交代を必ず実現し、『野党連合政権』を作ろう」と訴えました。

一方、志位氏は、旗開きのあと記者団に対し、政府が通常国会に提出する方針を示している新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案について「罰則を入れ込むことには賛成できない。結局、罰則頼みになって問題解決にならず、何よりも『警察国家』になっていく心配もある」と述べました。

維新 馬場氏「宣言 先月出すべきだった」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で、菅総理大臣が緊急事態宣言の発出を検討する考えを表明したことについて「後手後手に回っている。政府・与党は、業界との調整に時間がかかり、事態が悪化しているように見える。緊急事態宣言は、先月の段階で出すべきだった」と批判しました。

また馬場氏は、政府が通常国会に提出を予定している新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案について「事業者への補償は一律ではなく、年間の売り上げや従業員の数なども考慮すべきだ。事業者が要請や指示に従わない場合の罰則は、感染を抑え込むうえで、推進力になると思うので必要だ」と述べ、補償と罰則をセットにした内容にすべきだという認識を示しました。